試合開始わずか59秒、勝っても負けてもド派手なKOを信条とする“完全決着”男に訪れたのは、バックブローでの衝撃的なKO勝利だった。
6月25日に後楽園ホールで開催された「Krush.126」。FUMIYA(ポゴナ・クラブジム)と絢太(CUC)の対戦は試合開始わずか59秒の瞬殺劇で幕を閉じた。全ての試合でKO勝ちかKO負けという極端すぎる「完全決着男」が見せたド派手なKO勝利に、ネットからは「勝ちも豪快、負けるときも豪快」「攻撃力が異常」など賞賛の声が相次いで寄せられた。
水泳、陸上などの競技で活躍した身体能力の高さが魅力のFUMIYA。格闘技は進学後の運動不足解消からはじめたというが、特筆すべきはその戦績。視聴者からも「FUMIYAの試合に外れなし」「勝ちも豪快、負けるときも豪快」という声が聞かれる2017年のKrush参戦から14戦を戦い6KO、8KO負け、まさに“やるか、やられるか”を体現するファイターだ。
前回の幸輝戦は1ラウンド2分7秒、前のめりに崩れ落ちる派手なダウンで撃沈。2連敗を喫する中で迎えた試合だ。対する絢太も昨年初参戦で抜擢された地元福岡開催のK-1 WORLD GPでKO負け、互いに連敗を食い止めたい一戦でもある。
試合開始、互いに蹴りで探り合う幕開け。左ローで距離を縮めるFUMIYA、一方サウスポーの絢太は左ストレートを合わせる。ひと呼吸おきFUMIYAが攻撃再開。右のミドルを2発ボデイへ、さらにヒザ、左の重いフック、さらにハイと波状攻撃。
絢太が蹴りで応戦するとFUMIYAは前へ前へと出る積極的な攻撃を止め、相手のパンチに拳をあわせて間合いを取りはじめる。相手の攻撃を下がりながら交わし、明らかに様子を伺うような動きだ。そして右のミドルをあわせた次の瞬間、くるりと回り拳を振るった。
高速回転のバックブローは大きな弧を描きながら絢太のテンプルを捉え“バコッ”と鈍い音。隙を突くような快心の一撃を被弾した相手は、後ろから崩れ落ち、足を上げて壮絶ダウンを喫した。手応えを感じたFUMIYAは対戦相手も見ずに勝利を確信したようなドヤ顔を披露。一方の絢太はリングに伏せたまま、ゴングを聞いた。
一瞬の決着にABEMAの視聴者も興奮し「すごい倒れ方」「(相手が)無重力みたいになっている」「ガード越しになぎ倒した」「攻撃力が異常」など、FUMIYAの破壊力を賞賛する言葉が並んだ。
スロー映像に映し出されたのは意外にもバックブローがわずかに頭をかすめるようなシーン。これを見た実況の高橋大輔アナウンサーが「リプレイを見るとクリーンヒットでは(ない)?」と驚いた様子で話すと解説の石川直生は「序盤の左フックで(絢太選手の)足が止まったので脳が揺れていたんですよ、その上でテンプルに食らったのでダウンになったという結果です」とダメージの蓄積によるKOであることを指摘。さらにゲスト解説の黒田斗真も「意外とああいうのが効いたりするんです」と続いた。