どんな競技でも、そのプレースタイルにもともとの性格が直結していると思われがちなところがあるが、果たして本当なのか。そんな疑問にある女流棋士が、大学の卒業研究として取り組むことになった。武富礼衣女流初段が、番組出演時に「最初は『仕草と形勢の相関』にしようと思ったんですけど、難しいので『棋風と性格の相関』を調べようかと」と、プランを紹介。これに棋士、ファンがおもしろそうだと食いつくことになった。
武富女流初段は、立命館大学の総合心理学部に通う現役大学生。学業、対局に勤しむ中、放送対局やイベントなどでの聞き手でも人気となっている。22歳ながら話題も豊富で、解説を務める棋士からも、明るく笑いながら面白いトークを引き出すと評判だ。
10日には竜王戦決勝トーナメントの準々決勝、藤井聡太王位・棋聖(18)と山崎隆之八段(40)の中継で聞き手を務めていたが、局面が動かないところで解説の千葉幸生七段(42)と棋士の仕草や性格についての話に花を咲かせていた。
心理学を専攻しているだけあり、卒業研究にも人の仕草や性格などを絡めようと考えたところ、決めたテーマが「棋風と性格の相関」だったという。武富女流初段は「攻めか、受けか。居飛車党か、振り飛車党か。意外とアマチュアの方や、早指しが性格が出るのかな」と仮説を立てると、千葉七段は「棋士の場合は性格を殺してやっていますからね」とアドバイスした。
ここで武富女流初段から「受けの先生って我慢強いんじゃないかなと思うんです。受けは苦じゃないですか?」と質問が。これに千葉七段は「受けは苦です」とあっさり。さらに「受けが強い人は冷静に局面を見られる人だと思う。(感情として)怖いとか嫌だとかあるんで、フラットに局面が見られる人が、受けが強いのでは」と付け加えた。
締めには千葉七段から「武富教授の話はおもしろいですね」と持ち上げられた武富女流初段は「やめてください(笑)」と照れたが、「心理学と将棋を絡めて、何かおもしろい結果が出たらいいなと。進展があったらお伝えします」と答えた。今後の研究の成果にも注目だ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)