「圧力だと感じたし、とても苦しい思いで受け止めた。私たちにもスタッフがいるし、そのスタッフには家族もいる」飲食店との取引停止を求めた行政に酒類販売業者が訴え
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(7枚)

 「反省をしている。少し思いが強すぎたということで反省をしているが、肝に銘じて反省すべきは反省をし」。酒類の販売業者に対し、政府の感染対策に応じない飲食店と取引を停止するよう要請、批判を浴びて撤回した問題で、何度も“反省”という言葉を口にした西村経済再生担当大臣。

・【映像】ナゼ契約書まで? コロナ禍の飲酒は何がダメ? “酒取引停止”撤回も背景は

 ところが撤回後、東京都が販売事業者など中小企業者に向けた月次支援給付金の申請の際に「誓約書」の提出を求めており、その中には「飲食店の休業・時短営業の影響があることを要件としており、これを満たしていることに相違ありません。加えて、直接的又は間接的に取引を行う飲食店が酒類の提供停止を伴う休業要請等に応じていないことを把握した場合には当該飲食店との取引を行いません」との記載があったことが判明。

「圧力だと感じたし、とても苦しい思いで受け止めた。私たちにもスタッフがいるし、そのスタッフには家族もいる」飲食店との取引停止を求めた行政に酒類販売業者が訴え
拡大する

 小池都知事は15日、「国の方が撤回をされるということなので、都として誓約書の中の項目を削除した」と説明。しかしすでに1650件が提出済であるという。

 また、こうした自治体の対応の根拠になったと考えられるのが、内閣府地方創生推進室と内閣官房コロナ対策推進室による各都道府県への事務連絡(6月11日付)だ。文書の中では月次支援金について、要請に従わない飲食店との取引を停止するよう誓約を求めていたのだ。

「圧力だと感じたし、とても苦しい思いで受け止めた。私たちにもスタッフがいるし、そのスタッフには家族もいる」飲食店との取引停止を求めた行政に酒類販売業者が訴え
拡大する

 約200軒の飲食店と取引のある地酒専門店・朧酒店(東京・新橋)の大熊潤代表は「組合には届いていたが、私どものような小さな事業者にまでは届いておらず、まだ誓約書も書いていなかったので、8日にニュースになるまで全く知らなかった。6月の時点でそこまで動いていたというのはショックだ。私たちは国税庁からの認可を受けて営業をしている立場なので、強い要請が入ったということは圧力だと感じたし、とても苦しい思いで受け止めた」と話す。

「圧力だと感じたし、とても苦しい思いで受け止めた。私たちにもスタッフがいるし、そのスタッフには家族もいる」飲食店との取引停止を求めた行政に酒類販売業者が訴え
拡大する

 「私たちにもスタッフがいるし、そのスタッフには家族もいる。給料を払うためには営業をせざるを得ないし、より厳しい状況に追い込まれている。私どもの場合、売上はショップと卸売りで半々なので売上減は5割ぐらいだが、卸専門の業者さんの中には8割減、9割減という、より苦しい立場の方もいる。9割以上ダウンしてしまえば、補償があったとしても会社自体が無くなっているということもあると思う。感染経路のうち飲食店は数%という話もあるし、騒ぐような人は一部だ。1人で静かに飲めるという人も多いと思う。それなのに、どうしていつもお酒、お酒、と言われるのか」。

「圧力だと感じたし、とても苦しい思いで受け止めた。私たちにもスタッフがいるし、そのスタッフには家族もいる」飲食店との取引停止を求めた行政に酒類販売業者が訴え
拡大する

 この問題について、Twitterでいち早く反応していた都議会自民党の川松真一朗都議は「東京都が誓約書の文書を出した時はちょうと都議選の最中だったので、気づくのが遅くなった。今になって慌てて騒いでいるのは現場の皆さんに対しても大変申し訳ないと反省している」と陳謝。

 その上で「国からの事務連絡の中は“そういうお店とは取引しないように努めてくださいね”という呼び掛けだが、誓約書は東京都の役人が作った。異常だと思うし、現場の空気を分からずにルールを作ってしまう官僚システムに問題があると訴えたところ、削除されることになった。

「圧力だと感じたし、とても苦しい思いで受け止めた。私たちにもスタッフがいるし、そのスタッフには家族もいる」飲食店との取引停止を求めた行政に酒類販売業者が訴え
拡大する

 ただ、私が見る限り、国以上に強い文言を入れていたのは東京と愛知で、愛知は話題になったことを受け、国が撤回する前に下げた。14日夕方の時点で愛知が下げたのだから、東京も早くやるべきだ、あなたたちはこの文書が正しいと思っているのかとずっと言っていたが、夜になって国が撤回すると、“都も撤回する”という報告が出てきた。結局、自分たちが主体的に一歩踏み込んでおきながら、撤回するときは国の責任にするのはおかしいじゃないかと思う」と都の対応を批判。

 また、「私が街を歩いていると、毎日のように飲食店の皆さん方から“協力金の支給が遅いことや、なんでお酒を出したらいけないのかということについての説明もなく、なぜ一方的にバーンと切ってしまうのか”という怒りのクレームを頂いていた。まさに1人で飲む分にはいいだろうとか、飲んでいるのが水でも大きな声で話す人はいるとか、そういうこともあるだろう。

「圧力だと感じたし、とても苦しい思いで受け止めた。私たちにもスタッフがいるし、そのスタッフには家族もいる」飲食店との取引停止を求めた行政に酒類販売業者が訴え
拡大する

 そもそも東京都の作った感染防止対策のルールに則って対応をしたり、換気システムを入れたりしてきた飲食店もたくさんある。一方で、全く何もしない、周りはお店を閉めているからうちは開けてしまえ、とバンバンお客さんをいれている飲食店もある。これらは区分けして制限を考えていかなければいけないのに、お酒を出しているところは全部悪いということにしてしまっている。霞が関は北海道から沖縄まで全国をカバーしてルールを作っているが、従業員を抱えている、家賃を抱えているという現実までは見られない。東京の繁華街の人件費や家賃は全国と比べるとどうしても高くなるケースも多い。だからこそ都知事にもっと権限やお金を与え、現実に即したやり方に変えていかなければいけない」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

ナゼ契約書まで? コロナ禍の飲酒は何がダメ? “酒取引停止”撤回も背景は
ナゼ契約書まで? コロナ禍の飲酒は何がダメ? “酒取引停止”撤回も背景は
ワクチン2回接種済み・平和のための訪問でもダメなのか? IOCバッハ会長の広島、コーツ副会長の長崎行きに“不公平”などと批判の声
ワクチン2回接種済み・平和のための訪問でもダメなのか? IOCバッハ会長の広島、コーツ副会長の長崎行きに“不公平”などと批判の声
「友達とお菓子とコーヒーだけで、お酒は飲んでいないのに…」と話す感染者も 薄れる“緊急事態宣言”の意味と緊張感
「友達とお菓子とコーヒーだけで、お酒は飲んでいないのに…」と話す感染者も 薄れる“緊急事態宣言”の意味と緊張感
この記事の画像一覧

■Pick Up
キー局全落ち!“下剋上“西澤由夏アナの「意外すぎる人生」
「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
「ABEMA NEWSチャンネル」知られざる番組制作の舞台裏

この記事の写真をみる(7枚)