企業やプロジェクトが暗号資産(仮想通貨)取引所を通じて、デジタルトークンを発行・上場して資金調達を行う「IEO(イニシャルエクスチェンジオファリング」が注目を集めている。
【映像】「仮想通貨を株のように」企業や投資家から注目集まる「IEO」とは
今月1日、コインチェックによって国内初のIEOが実施された。IEOの発行元は、株式会社Hashpaletteだ。Hashpaletteでは、漫画やアニメ、スポーツ、音楽などの日本コンテンツをNFTで流通させ、デジタルデータの経済価値を表現しながら、市場を作るという。また、Hashpaletteが発行する「パレットトークン」は、NFT売買の決済などの用途で使用される。
ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演した同社代表取締役の吉田世博(せいはく)氏は「株を売買するようにパレットトークンを売買するようになる」と話す。
「まずIEOを一言でいうと、株を発行して資金を集めるように、仮想通貨を発行して資金を調達する手法だ。弊社で発行した仮想通貨『パレットトークン』は、仮想通貨取引所のコインチェックで売買ができる。『株を売買するように、パレットトークンを売買する』といったことが可能だ」
仮想通貨を取引する上で問われるのが、透明性や審査能力だ。これに吉田氏は「仮想通貨を買うと聞くと、これまでは少し怪しいイメージが持たれていた」とコメント。
「IEOは仮想通貨取引所が審査を行い、審査に合格した仮想通貨を販売する。国内の厳しい審査をクリアした通貨として、安心して使っていただけるようになっている。今後はパレットトークンを持っている人だけが購入できるアニメや漫画、ゲームのデジタルデータなど、パレットトークン保有者限定のコンテンツも展開していく」
株のような使い方で、事業設計ができるIEO。国内でも改正資金決済法が施行され、ガイドラインなどの制度整備が進んでいる。しかし、吉田氏は市場に浸透するまで「まだ時間はかかるだろう」と語る。
「『株はオワコン』と言いたいところではあるが、まだ時間はかかると思う。IEOは今後、企業やプロジェクトの成長に重要な選択肢になる。新しい企業でもサービス単位で株式を発行するように資金調達が可能で、ユーザーを巻き込んで事業を作っていくことができる。企業とユーザー、両方にメリットがある」
近い未来、パレットトークンによって成長した上場企業が誕生するかもしれない。
(『ABEMAヒルズ』より)