一度は牌を握ることを辞めようとした。「RTD Girls Tournament 2021」に参戦している篠原冴美(協会)はグラドルとしても活動しながら、2017年1月に麻雀プロに。ただ、そこからの麻雀ライフは決して順風満帆ではなく、むしろ逆風続きだった。「結果も出ないし、周りからもいろいろ言われて、麻雀から離れたくなったんです」。泣きながら母に電話で相談し、一度距離を置いた麻雀だが、また戻ってきた。篠原にはどんな心境の変化があったのか。
【中継】RTD Girls Tournament 2021 予選2日目
2016年に麻雀を覚え、そこから勉強を重ねてわずか1年でプロ入り。ハマったら力を発揮するタイプなのだろう。ただ、プロになってからの周囲の風当たりは強かった。「私がポーカーや他のゲームをすると、『麻雀が弱いんだから勉強しろよ』とか言われて。私も、勉強よりも打つこと自体が好きだったので、成長していないのもわかっていたんですけどね」。放送対局などに出れば、辛辣なコメントが多数寄せられるのは、麻雀界では日常茶飯事でもあり、これによってプロの道を諦める雀士も少なくない。篠原も、そうなりかけた。「深夜にお母さんに泣いて電話したんです。そうしたら『やりたくなったら、やったらいいんじゃない』と。それで一度辞めたんですが、そうしたら数カ月ぐらいで『麻雀やりたい!』ってなって。ここから再燃というか、今までで一番と言っていいくらい勉強するようになりました」。
一時離れてみたことで見えなかったもの、感じられなかったものがわかることもある。篠原にとっては、それが麻雀だった。それまで嫌々やっていた勉強も、自ら率先して取り組むと、自然と結果もついてきた。「いろいろわかってきたら、もっと楽しくなってきたんです。こんなに深い読みがあるんだと。今は麻雀の次のステップに進めた気がして、すごく楽しいです」と、より深い麻雀の世界に触れた。
振り返れば、プロになりたてのころの自分について「プロといってはおこがましいというか、申し訳ないくらいプロじゃなかったですね」と苦笑いする。4年も経てば、同じ団体の後輩も増える。「成長しなきゃという気持ちはすごく強くなりましたね」と、よりプロ雀士としての自覚が強まった。だからこそ、今は結果が欲しい。「結果も残せていないし、タイトルも取れていない。ただ昔よりは意識や雀力は上だと思います」。チャンスを狙う貪欲さも身についた。
グラドルとしての活動は続けているが、以前よりもはるかに麻雀が身近にある。「一度辞めようと思ったところから、ここまで気持ちが戻れたことがうれしいですね。麻雀で応援してくれるファンが増えたことも実感しています。信じて応援してくれている方々のためにも、結果が出したいですね」。苦しみ、そこから抜け出た者は強い。もうプロ雀士として、4年前の篠原とは別人だ。
◆RTD Girls Tournament 2021 全8選手が参加し、予選は1日4試合を2日間、計8試合を行い、1人4試合に出場する。上位6人が準決勝に進み1日3試合を2日間、計6試合で1人4試合し、上位4人が勝ち上がる。決勝は1日4試合で優勝者を決める。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)