シンガーソングライター・中西圭三さんの兄で、予備校講師の中西光雄さん(61歳)がSNSに壮絶な闘病生活を投稿し、注目が集まっている。

【映像】「日本で4台だけ」中西さんが乗ったECMO搭載の救急車(3分30秒ごろ~)

「ドクターからいつ死んでもおかしくないと告知されていたそうです。今回の臨死体験の中でみなさまの祈りが届くという経験を確かにしました。完治しましたらこのご恩は必ずお返ししてゆくつもりでおります」(中西光雄さんのFacebookより)

わずか1日で中等症から重症に…“死の淵”から生還したコロナ患者の訴え「自宅待機では“重症化”見分けられない」
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 ニュース番組『ABEMAヒルズ』のインタビューに応えてくれた中西さんは、現在も入院生活を送っている。新型コロナに感染し、自宅療養をしていた中西さん。症状が急変したのは、発症から3日後だった。

「7月1日、急に酸素飽和度が80以下くらいになったんです(※通常は97~99%)。80台になってくると、爪と指が真っ黒になりますし、息はそんなに苦しくなかったのですが、やはり異様な感じですね。もっと悪くなれば当然意識も失うような、そういう状態でした」(中西光雄さん・以下同)

 異常を感じた中西さんは保健所に連絡。その日のうちに、入院した。

「すぐにステロイドの療法が始まりました。『もしかすると重症化するかもしれない。一番悪い状況だとECMO(体外式膜型人工肺)を使わなきゃいけない』と言われて、転院する可能性があると聞かされました。それで2日くらいで転院することになったんです。よくならなかったんだと思います」

 入院から2日後、症状が悪化した中西さんは、重症患者が装着するECMOがある病院に転院。この頃から意識が薄れ、中西さんによると当時の記憶は「ほとんどない」という。ECMOを装着され、治療を受けていた状況について、中西さんは息子さんからこう聞いたという。

「半々(の確率で)で死ぬんじゃないかと言われていたみたいです。相当な覚悟をしたようですね。気丈に振る舞っていてくれたのだと思います。ECMOは、血を抜いて外に出して、もう一回(身体に)戻すものですから、感染症や血栓の危険もあります。だから、なかなかドクターたちも決断がつかない。様子を見ていたけれど、私が全然よくならないので、最終的にECMOの使用を決断して、装着してくださった」

わずか1日で中等症から重症に…“死の淵”から生還したコロナ患者の訴え「自宅待機では“重症化”見分けられない」

 その後、中西さんは、日本で4台しかないというECMOが搭載された救急車に乗せられ救命救急センターへと運ばれた。そして、医師たちによる懸命の治療によりECMOの装着から3日後、中西さんは意識を取り戻した。

「気づいた時には日付はわかりませんでした。そんな経験は初めてでしたので、そりゃびっくりしましたよ。意識がなかったですし、自分が死にそうだと思っていないですから。でも、意識が戻ったときは本当にうれしかったです。生きて帰れてよかったなと思いました。(家族から)ドクターとやり取りしたメールを見せてもらいましたが『ECMOも3週間使ってダメだったらあきらめてください』と書いてあって、生還できたことが奇跡だと思います」

 突然の入院から1カ月、現在、中西さんは自発呼吸ができるまで回復。元の病院へ戻り、リハビリ生活を送っている。まさに“死の淵”から生還した中西さんだが、改めて新型コロナの恐ろしさを実感していると話す。

わずか1日で中等症から重症に…“死の淵”から生還したコロナ患者の訴え「自宅待機では“重症化”見分けられない」

「ワクチン接種は(感染までに)間に合わなかったんです。ウイルスにとっては一番狙いやすい年齢層、それからBMIも高かったものですから、本当にウイルスが狙いやすかったのでしょう」

 どれくらいの期間で中等症から重症化したのだろうか。

「一日だと思います。重症化するときには、両方の肺が真っ白になります。レントゲンで見せていただきましたが、本当にあっという間です。あっという間に人が亡くなってしまう。新型コロナはそういう病気です。そういう意味では本当に怖い病気なんです」

 そんな中西さんは、自身の経験を振り返る中で、現在の新型コロナの感染状況に危機感を抱いているという。

「私は病状が悪くなる前にいろいろ(治療の)手を打っていただいたので、かろうじて生きています。感染者が急増した今の状況で、自宅待機が増えてしまうと、私が受けたような治療やケアはなかなか受けられないだろうと思います。必ず重症化する人がいますので、そういう人を見分けるにはお医者様の経験や科学的データが必要です。しかし、自宅待機していたら、それがわからないような気がします」

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 最後に、中西さんは治療にあたってくれた医療従事者への感謝とともに「戦う相手(ウイルス)が強くなっている」と訴える。

「今のデルタ株は感染力が強いです。若い人も病状が出る厳しいウイルスです。かからないようにできるなら、それが一番です。私も仕事柄、去年の3月から公共交通機関を使っていませんでした。ずっと自家用車で動いて、すごく気を使っていたのに、感染してしまった。戦う相手(ウイルス)が強くなっているので、やはり慎重に日々の生活を送ることが大事です。そうしないと、自分も周りの人の命も守れません。これが伝わってほしいと心から思っています」 (『ABEMAヒルズ』より)

【映像】わずか1日で中等症から重症に…“死の淵”から生還したコロナ患者の訴え
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