「顧客の大部分を失った地球の歩き方が本気で生き残ろうとしている」
【映像】これは「羊」なのか…? 『世界のすごい巨像』に掲載された“巨大羊”(3分30秒ごろ~)
約2万件ものリツイートで拡散された、旅行ガイドでおなじみの『地球の歩き方』に関するツイート(※投稿主:永山久徳さん〔@h_nagayama〕)。『地球の歩き方』が「生き残ろうとしている」とは、一体どういうことなのだろうか。
ツイートと共に掲載された画像を見てみると『世界のグルメ図鑑』『世界の指導者図鑑』『世界のすごい島300』『世界なんでもランキング』……もはや国や地域のタイトルではなく、何でもありといったさまざまなバリエーションの書籍がズラリと並んでいる。
『地球の歩き方』が旅のガイド以外を次々と出版する意図は何なのか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、編集長の宮田崇さんを取材した。
「昨年から新型コロナが流行して、2020年3月以降の売り上げは海外渡航者に比例する形で激減しています。まず、海外旅行自体に行けないので、旅行ガイドブック、特に海外の旅行ガイドブックを作れない状況になりました。その中で我々が何を作れるのかを話し合った結果、方針を大きく変えました」(宮田崇編集長・以下同)
「旅」をテーマにする『地球の歩き方』に大きなダメージを与えた新型コロナ。世界的に旅行が制限される中、たどり着いたのが、世界の情報を学べるシリーズだった。きっかけは、先日閉幕した東京オリンピックだという。
「話が少し脱線しますが、もともと昨年は『地球の歩き方』の40周年でした。今年の東京オリンピックの開会式で、いろいろな国の選手が出てくるので、その国のちょっとした情報やうんちく、トリビアなどを学んでいただこうと思い、『世界244の国と地域』という本を作りました。我々としては『五輪の開会式で……』という狙いがありましたが、それとは全く関係なく、海外旅行に飢えている人たちが、次の旅先選びの参考にすごく買ってくれたんです」
こうして始まった『地球の歩き方』の新たな挑戦。例えば、今月発売の『世界のすごい巨像』では、世界のあちこちに存在する大きな像をその歴史や基礎知識と共に紹介。
1998年、イギリス中部の小高い丘の上に立てられた、人に翼が生えたように見えるモニュメント「北の天使」は高さ20メートル、幅50メートルの巨像だ。建てられた当初、賛否両論が巻き起こったが、今ではすっかり観光名所になっているという。また、オーストラリアでは1960年代から1980年代にかけて、各地で地元の特産などの巨像建設が流行。本誌で掲載されている巨大な羊の象「ビッグ・メリノ」もその1つだという。
思わぬ形で反響が集まっている『地球の歩き方』。ネット上では、この新たな挑戦を応援する声が相次いで寄せられている。
「社内でもお祭りみたいになっていまして、SNS担当から書店担当から、もちろん編集のメンバーも『なんだ? なんだ?』という状況。本当にうれしいですね。読者の方々やファンの方が、これだけ支えてくれているんだと、ただただ実感しています。ずっとこの1年、生き残ろうと足掻(あが)いてきた結果なので、それにきちんとコメントをいただいた。旅行の再開が見えた時点で、当然、海外旅行祭りになるでしょう。そのときに日本から出国する全ての旅人にむけて、安全に旅に出てもらえるよう、情報をきちんと提供できる準備を今もしています」 (『ABEMAヒルズ』より)
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