自民党総裁選、“9月17日告示、29日投開票”へ…菅総理は党の実力者たちの支持を背景に、政策論争を通して実績アピールか
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 自民党本部で30分にわたって行われた菅義偉総理と自民党の二階俊博幹事長の”トップ会談”。テレビ朝日政治部の澤井尚子記者によれば、内容は大きく2つだったという。

・【映像】総裁選は?解散は?菅総理と二階氏会談

 「まずは新型コロナの感染拡大の影響と今後の対策について。こちらに多くの時間は割いたわけだが、やはり菅総理としては感染が地方へ波及していることの影響を気にしていて、二階幹事長に対して“地元の声をよく聞くように”と指示したという。次に、あす日程も含めて正式に決定する見通しの、自民党総裁選について。時間は短かったようだが、幹部によると、想定されていた通り“来月17日告示、29日投開票”との方針で決まったようだ」。

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 カレンダーを見ると、東京都などに発出されている緊急事態宣言の解除予定日からわずか4日後の告示となる見通しだ。

 「自民党総裁の任期が来月30日に満了するので、その前日に投開票というギリギリの日程ということになる。総裁選が告示されてしまえば、途中で解散するのは難しい。そこで総裁選告示までの4日間に解散できる余地を残していたし、昨日も“宣言中でも法律上は解散可能だ”と強気の姿勢も見せていたが、やはり国民に外出自粛などの行動制限をお願いしている中での選挙戦は難しい。また、去年の総裁選で戦った強力なライバルでもある石破茂元幹事長が「その間は自民党自体が機能停止に陥って政治空白を生む」と指摘、総裁選は衆院選後に先送りするべきだという意見も出ていた。

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 当初は無投票再選という見方もあったが、政権支持率が25.8%(最新のANN世論調査)と低迷する中、若手を中心に予定通り総裁選はやるべきだとの考え方が出ていた。総裁選は緊急事態宣言中であっても(オンラインでの討論会など)形を変えて行うことは可能だ。菅総理としても、携帯電話料金の引き下げなど、本来であれば有権者にとってアピールできる功績もコロナを前に忘れられかけている状況もある。そこで「政策論争をすることで、これまで自分が1年間でやってきた功績をアピールする場にしたい」と考えを変え、総裁選実施の方向で二階幹事長とも一致したということだろう。ある意味では“自信の表れ”とも言えるかもしれないし、総裁選前の解散もないのではないかという見方も広がっている。

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 菅総理の“自信の表れ”の背景には、二階幹事長をはじめとした党の実力者たちからの支持が得られているということもありそうだ。

 「二階幹事長、さらに安倍前総理、麻生副総理の3人が“菅続投支持”の姿勢を変えていない。特に二階幹事長は以前から他には適任者がいないという考えを述べていたし、自らが率いる派閥としての支持もいち早く表明していた。昨日の記者会見でそのことについて尋ねられると“愚問だ”と強い口調で述べていた。党の金と公認権を握る幹事長は絶大な権力を持っている。勝ち馬に乗っていると言えるかもしれないが、“キングメーカー”としての政治センスはピカイチだと思う。ただ、こうした二階さんのやりかたについて、ある閣僚からは“二階さんが前面に出るとマイナスだ”との不満の声も出ているようだ。

 安倍前総理については、自らの急な辞任後、コロナ禍の厳しいところを菅さんに頑張って引き継いでもらっている、申し訳ないという考えもあるのか、再選を支持する考えだ。麻生副総理は沈黙を貫いていますが、周囲によれば“コロナ禍の大変な時は誰がやっても厳しいんだから、今はガタガタしないでコロナ対応は最後まで菅さんにやってもらって、そのあとのことはその時考えるべきだ”という考えのようだ」。

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 一方、高市早苗前総務相と下村政調会長が名乗りを上げており、前回の総裁選に出馬した石破元幹事長、岸田文雄前政調会長の動向も注目されている。

 「高市さんは初出馬となり、保守・女性ということでどこまで取れるのかは未知数だ。また、下村さんは第一派閥の細田派ではあるが、当の3役であるにも関わらず菅総裁に弓を引いて出るのか、ということで、あまり理解が得られていない。いずれも20人の推薦人を集められるのかという問題がある。また、石破元幹事長に関しては国民の人気はあるものの党内の支持の広がりがなく、出馬に必要な推薦人20人を集めるのも難しい状況のようだ。先ほど紹介した発言も、総裁選を先送りしたいということを格好つけて言っている感じもあるのかもしれない。

 そして、ここにきて出馬の意欲を見せていることで、菅総理の支持基盤でもある安倍さん、麻生さんがどう動くのかに注目が集まっているのが岸田さんだ。去年の総裁選は時間が無かったということもあり、党員などの地方票の割合が国会議員の2分の1にも満たなかったが、若手が求めるフルスペックで行われれば、それが1対1になる。地方では“菅さんでは戦えない”という声も広がっているので、党員人気の高い石破さんが出馬しないとなれば、岸田さんという選択肢も出てくると思う」。

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 解散総選挙はどうなるのだろうか。

 「菅総理が緊急事態宣言下でも解散権は縛られないという認識を示したことで“臨時国会を召集して、来月上旬にも解散するんじゃないか”という憶測も生まれたが、自民党が週末に行った情勢調査について、関係者によれば50~70議席は減らす、単独過半数割れとの結果も出ているという。菅総理もその結果は知っているだろうし、感染者数と内閣支持率は負の相関関係にある。菅総理としては、やはりコロナ対応を優先し、ワクチン接種が国民に広く行き渡らせた後で行った方がいいのではないかと考えているようだ。野党は自民党の党利党略で日程を先延ばしするべきではないとしていて、10月21日の衆議院議員の任期満了までには実施するよう主張しているが、かなりタイトな日程になってくるだろう」。(ABEMA NEWS)

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