「私が格差を拡大したとか、利益誘導をしていると言うが、何を言っているのか全然分からない」竹中平蔵氏がネットの批判に厳しく反論

 25日の『ABEMA Prime』に慶應義塾大学名誉教授の竹中平蔵氏が生出演。ネット上の激しい“竹中批判”について「私が叩かれているときは正しいことを言っていると思ってくれれば」と反論した。

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竹中平蔵氏に生直撃 "医療ムラ解体"論の真意とは?
竹中平蔵氏に生直撃 "医療ムラ解体"論の真意とは?
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「私が格差を拡大したとか、利益誘導をしていると言うが、何を言っているのか全然分からない」竹中平蔵氏がネットの批判に厳しく反論

 ネットの意見を踏まえ、アイドルグループ「アンジュルム」の元リーダー・和田彩花は「外から見ていたら、なんか権威を持っていそうだし、まさにオリンピックでいい思いをしているのではないかと思っていた」とコメント。

 さらに竹中氏との対談本『日本につけるクスリ』を出版したこともあるリディラバ代表の安部敏樹氏が「竹中さんと意見が全く一緒だというわけではないし、むしろ違うところも含めて建設的に議論すればいいじゃないかという話なのに、一緒に本を出しただけで“お前は格差を是正する方だと思っていたけど、まさか格差を拡大する方に行くのか”みたいな批判が来た。これはキツいなと思った。せめて内容を読んでから言ってくれよと思った。パソナの会長になったということもあるかもしれない」と振り返る。

 すると竹中氏は苦笑しながら、次のように“反撃”した。

「私が格差を拡大したとか、利益誘導をしていると言うが、何を言っているのか全然分からない」竹中平蔵氏がネットの批判に厳しく反論

 「私が格差を拡大したとか、利益誘導をしていると言うが、何を言っているのか、全然分からない。格差というのはジニ係数で測るが、私が内閣で政策をやっている期間だけは下がっていた。経済を活性化させて就業者を増やした。つまり所得ゼロの人をなくしたので、格差は縮小したということだ。逆に、90年代もその後の時代も、格差は拡大している。そのことは経済財政白書にもOECDの報告書にも書いてある。私はこのことを何百回も言っているが、とにかく判で押したようにみんなが“格差を拡大した”と言うわけだ。私の方がどうなっているんだと言いたい。

 非正規雇用が増えたという話についても、小泉内閣の時に増えたわけではなく、90年代からずっと増えていた。そして利益誘導の話にもつながるが、私は厚生労働大臣ではなかったにも関わらず、私がやった政策のように言われた。そして製造業の派遣を認めたことで、私の関係している会社が儲かったと言われるが、製造業の派遣は一切やっていない。そのことも何百回も言っている。私を酒の肴にして遊んでいるとしか思えない。

「私が格差を拡大したとか、利益誘導をしていると言うが、何を言っているのか全然分からない」竹中平蔵氏がネットの批判に厳しく反論

 政府の仕事をするとなんだかんだ言われるが、ちゃんと議論して、どこが悪いのか言わないと、議論の仕方としてアンフェアだ。ラベルだけ貼って中身を何も言わないと。例えばオリンピックだって、別に私はオリンピックで儲けたわけでもなんでもない。こんな根も葉もないことをみんなが信じ始める社会というのは、すごく怖いと思うし、本当に心配になる。“一部の人はこういうふうに言っているけど、そうじゃないよね?”というような、知的なアンカーみたいな部分がこの社会になくなって、変な噂だけがどんどんエスカレートしていく」。

■「困窮者は間違いなくいる。対策は必要だ」

「私が格差を拡大したとか、利益誘導をしていると言うが、何を言っているのか全然分からない」竹中平蔵氏がネットの批判に厳しく反論

 竹中氏の話を受け、政府の規制改革推進会議議長に選任されたばかりの慶應義塾大学特別招聘教授の夏野剛氏が「僕も言われる。オリンピック委員会の仕事は全部無報酬だったし、むしろKADOKAWAとしてはスポンサーとしてお金払ったくらいだ。規制改革会議の方も議長になってまだ3日くらいなのでちょっと分からないが、報酬はほとんどないよ。僕の年代で、ある程度は成功したから、今度はお国に奉仕しようとなっても、竹中さんがあんな目に遭っているから、絶対やっちゃダメだよねというぐらいのことになっている。名誉も無いし、家族からはやめてくれといわれる。何も良いことないから、政府の仕事は絶対しないほうがいいとなってしまう。でも、誰かがやらないと本当に何も変わらない」と心境を、明かすと、オンラインサロン『田端大学』主宰の田端信太郎氏は「お金のない人は頭の中がお金でいっぱいだから、きっとみんなもお金で動いているに違いないと理解しているのだろう」との見方を示した。

「私が格差を拡大したとか、利益誘導をしていると言うが、何を言っているのか全然分からない」竹中平蔵氏がネットの批判に厳しく反論

 さらに竹中氏は「業界団体と官僚と政治家ががっちり組んだ“鉄の三角形”に楔を打ち込めるのは民間の有識者しかいない。だからこそ、かつてオリックスの宮内義彦さんなどが政府の規制改革会議で大活躍された。しかし何かあるとワーワー言って辞めさせろと言ってくるので、晒し者にされる危機感、リスクから、みんなやりにくくなっている。しかも辞めたらそれで終わりで、その後さらに追及するわけでもない。やっぱり、言われたくない“不都合な真実”を平気で言うから叩かれるのだと思う。だから私が叩かれているときは正しいことを言っていると思ってくれれば。

 そもそも私は政策を研究する人間なので、経済を成長させるため、社会を安定させるためにはどうすればいいか。やはり格差をなくさないといけない。そのために政策をどう組み合わせるかを考えている。コロナの話も同じだ。よく“命か経済か”というが、その問いは間違っている。経済が悪くなれば自殺者が増える。どっちも命だということだ。バブル崩壊後、自殺者は2万人に増えた。平均すると、自殺者が一日に60人いる国になったということだ。いまコロナでお亡くなりになる方が1日に20~30人、多い時で40人くらいいるが、コロナを抑えなければいけないが、経済も保たないといけない。そのバランスをどう取るかが重要だということだ。しかし“厚生ムラ”の人たちは経済をほとんど無視する形で、とにかく人流を抑えろと言っているわけだ。これはやっぱり私は違うと思う」。

 その上で、「私が今やったらいいと思うのは、困っている人には10万円出すからマイナンバーで請求してください。その代わり、年度末にはマイナンバーで確定申告してくださいと。そうすると本当に必要な人にはお金が出て、所得が高かった人はお金を返してもらえる。ベーシックインカムの考え方にすごく近いが、困窮者は間違いなくいるから、それに対する対策は必要だと思う」と語った。

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 安部氏は「昔は“それでもお国のため、社会のため”にということで、無償でいいから要職に就いて仕事をする責任感みたいなものがあったと思うが、竹中さんの前後でかなり変わった気がしていて、この20年ぐらいで魅力がすごく失われたと思う。あんなに叩かれ、しかも対話が成り立たないのなら出ていきたくないと。その意味では夏野さんは珍しく残っている人だし、ここまで体を張ってくれているということには感謝をした方がいい」と指摘。和田も「コロナ禍で不満が溜まりやすくなっていて、誰かを批判することでそのはけ口にするということが身近に起きている。でも常に批判されている立場の方の話を初めて間近に聞いて、もしかしたら私もレッテル貼りをしているのではないかと思った。建設的に話を進めるとはどういうことか、みんなで考えていきたい」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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