「夫との老後が楽しみだったのに…」子宮頸がん患者が訴える“HPVワクチン”の重要性
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 先月31日、田村厚労大臣は、一時取りやめていた子宮頸がん予防のHPVワクチンを積極的に勧奨することについて、議論を再開する方針を明らかにした。

【映像】日本は何位? “HPVワクチン” 世界各国の接種状況(画像あり)※9分40秒ごろ~

「HPVワクチン、自民党議連から要望を受け取った接種をどうするか、積極勧奨どうするかというのは私に与えられた大きな宿題だと思っている。しっかり積極勧奨に向けて、評価いただけるのかを専門家に議論・審議をいただきたい」(田村厚労大臣)

 HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸がんの原因となるウイルスで、主に性交渉が原因で感染する。日本では小学6年生から高校1年生の女子を無料の定期接種の対象とし、ワクチン接種を進めていた。

 しかし、接種後に全身の痛みなど、重い症状を訴える人が相次ぎ、国や製薬会社を訴える裁判も。その結果、厚生労働省は2013年から積極的な勧奨を取りやめた。その後、厚生労働省が「副反応と疑われた多様な症状とワクチン接種の因果関係は示されない」と判断したが、世界でワクチン接種が進む中、前述の背景から日本のHPVワクチン接種率は1%未満にとどまっている。

 WHOなどもHPVワクチンの接種を勧奨し、先月には自民党の議員連盟らが要望書を提出。国内でもワクチン接種の勧奨を求める声が多く上がる中、現在、子宮頸がんと闘っている女性はどのような思いを持っているのだろうか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、抗がん剤による治療を行っているゼットン星人さん(仮名・42歳)を取材した。

「夫との老後が楽しみだったのに…」子宮頸がん患者が訴える“HPVワクチン”の重要性

「(今5歳の息子が)来年小学生になるけど、今は小学校卒業するまで生きれたらいいなーって思ってる。夫との老後、楽しみにしてたんだけどな。今は叶うかわかんない。悔しい」(ゼットン星人さんのTwitterより)

 去年11月に子宮頸がんと診断されたゼットン星人さん。夫と5歳になる子どもをもつゼットン星人さんを襲った子宮頸がんは「大細胞神経内分泌がん」という非常に珍しい種類だった。

「(診断から)10日くらいで子宮と卵巣と骨盤内のリンパ節を全摘出する手術を受けました。今年1月の終わり頃からは、術後の予備的な抗がん剤治療をやっています。HPVワクチンはそもそも接種の機会自体がありませんでしたね。受ける機会があったら打ちたかったです。そうすれば、もうちょっと選択肢の広い生き方ができたかなと思います」(ゼットン星人さん・以下同)

「夫との老後が楽しみだったのに…」子宮頸がん患者が訴える“HPVワクチン”の重要性

 治療によって症状が少し良くなったと安堵する一方、未来に対する不安もある。

「文献や先生によっておっしゃる比率は違いますが(子宮頸がんの中で大細胞神経内分泌がんは)1%未満とおっしゃる方もいるし、3%未満とおっしゃる方もいる。調べたら、5年生存率は15%というデータがあって、それはちょっと引きましたね」

「例えば(息子が)中学校受験をするかもしれないとき、私は子供を応援する立場にいられるんだろうか、もしかしたらそうじゃないかもしれないなと思うときがあるんです。私が個人のストーリーを語ることによって、みなさんが想像しやすくなったり、HPVワクチンの接種を前向きに考えてくれる人が出てきてくれればいいなと思います」

「夫との老後が楽しみだったのに…」子宮頸がん患者が訴える“HPVワクチン”の重要性

 現在は治療と仕事の両立をしながら、家族と過ごす日々を大切にしているゼットン星人さん。これからHPVワクチンの接種を迎える世代に対して「未来の自分を想像してみてほしい」と訴える。

「まず、そもそも接種の機会があること自体がとてもうらやましい。受けられる機会があるのは、すごくいいこと。積極的に利用してほしいし、利用できる環境を周りが整えてあげることも大事だと思います。病気がわかると、自分一人のときとは違う気持ちになります。なかなか家族持った後の姿は、想像しにくいかもしれないけれど、ワクチンを打つか打たないか、その違いは家族や子供を持ってから出てくる。それを考えてもらいたい」 (『ABEMAヒルズ』より)

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