小泉進次郎氏が涙も…菅総理は正当な評価を受けていないのか? 側近「後悔先に立たず」
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 菅総理が3日、総裁選に出馬しない旨を表明した。不出馬を決めた理由として、菅総理は「コロナ対策と選挙活動を考えたときに、実際、莫大なエネルギーが必要だった。そういう中で、やはり両立はできない。どちらかを選択すべきである」と新型コロナ対策に専念する意向を語った。

【映像】「菅総理の正当な評価を」小泉進次郎環境大臣が涙(取材時の様子)※冒頭~

 同日、菅総理との面会を終えた小泉進次郎環境大臣は、記者団の取材に「批判されてばかりのところではなく、正当に評価されてもらいたい、国民の皆さんに、菅総理はこういう仕事をやってきたんだと評価いただけるような、そんな花道を一緒に作ることができるように、しっかりとお支えしたい」とコメント。記者から「どのような言葉をかけられたか」と聞かれると、「いっぱいありました。一言では言えませんけど、本当に感謝の思いしかないですね」と涙を浮かべ、時折言葉を詰まらせた。

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 菅総理の周辺は、この事態をどのように見ているのだろうか。ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した、菅総理の側近で菅グループの中核「ガネーシャの会」メンバーの秋本真利衆議院議員は、発表後、菅総理とは「まだ直接会えていない」とした上で「驚くと同時に、こういう結果になってしまったことに対して忸怩(じくじ)たる思いだ。残念としか言いようがない」と心境を語った。菅総理の不出馬は、発表される直前に知ったといい、「(内閣改造や党人事の)可能性を探っていたことは間違いない。どのタイミングで不出馬の判断をしたのかどうかは、総理以外、誰も分からないと思う」と見解を示した。

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ABEMA TIMES
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 この一週間、菅総理と小泉大臣は連日面会していて、小泉大臣が首相に総裁選不出馬をうながしたともみられていた。なぜここにきて小泉大臣にのめりこんでいるのだろうか。

 テレビ朝日政治部の記者・今野忍氏は「同じ神奈川の出身で、菅さんが初当選の頃からかわいがってきたのが小泉進次郎さんだ」と言及する。

「菅総理はお酒を飲まないが、新型コロナが流行する前は、いろいろな人と会合をして、マスコミや経済人、官僚以外の人などの話を聞いていた。そこで得た情報網は、菅総理が持っている強さだ。菅総理は公邸ではなく、赤坂の議員宿舎に住んでいる。今は新型コロナの緊急事態で夜6時、7時には赤坂宿舎に帰らなければいけない。宿舎の中でよく会っていたのが、小泉進次郎さんや河野太郎さん、横浜市長選に出た小此木八郎さんだ。神奈川で一緒にやっていた人たちと集まっていたと聞いた。側近もいろいろな方がいるが、最後、頼りになる人が進次郎さんになっちゃったのかなと思う」

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 今野氏の説明にネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「進次郎さんが出馬を断念するように要請した報道と、菅総理と会って『感謝しかない。一言では言えない』と泣いている状況の整合性がとれていない。どっちが嘘なのか?」と困惑の表情を浮かべる。これには今野氏も「その通りだ。『なぜ泣いているんだろう?』と見ていて不思議に思った。自分に酔っているのかもしれない」と同意した。

 さらに、関係者によると、ワクチン接種を担当している河野太郎行政改革担当大臣は、総裁選挙への出馬の意向を固め、20人の推薦人集めを始めているという。菅総理、河野大臣、小泉大臣はいずれも神奈川選出の議員で“神奈川トリオ”とも言われているが、この状況を今野氏はどのように見ているのだろうか。

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「来月には国会議員の選挙がある。議員にとっては、自分が国会議員のバッジをつけられるかどうか、これがすべてだ。国会議員でなくなったら年収約2000万円と、JR線のグリーン車に無料で乗れるグリーンパス、秘書3人、国会の事務所の全部を失う。政治家は国会議員のバッジをつけてなんぼの世界。きれいごとだけでは済まない。国会議員じゃなくなれば、やりたいこともできなくなる。そうなると、総裁が誰だったら自分の選挙に有利になるのか、それを考えざるを得ない」

「最近の調査では『自公過半数割れもあり得る』と言われているぐらい、都市部は軒並み(票を)落とすと言われている。河野太郎さんはTwitterのフォロワー数が約240万、実力はどうか分からないが、人気だけなら相当なものだ。一方で、岸田文雄前政調会長は『俺はかなり変わった』というイメージでやっているが、派閥の親分が『岸田前政調会長でいくぞ』と言っても、中堅若手が『分かりました』と言うような感じはない。選挙は来月だから、岸田さんより絶対河野さんのほうが支持率も上がって選挙に勝てる。そう思えば、中堅若手が造反する可能性もある。総裁選は無記名で『腕の動きで分かる』と言う人もいるが、終わってから『私は(派閥の親分から)言われた人を書いた』と言えばいいだけの話だ。実際のところ、どうなるかまだ分からない」

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 社会問題と向き合う事業を行っているリディラバ代表の安部敏樹氏は「ここまで菅総理の支持率が下がってしまったことは残念だ」と述べる。

「菅総理は、政局で動く人ではなく、より政策だったり、直近の社会情勢に対応したり、そういった問題を解決するために最も時間を使った総理だと思う。安倍前総理からバトンタッチされたときから、期限は分かっていたはずで、秋には衆議院選があるし、総裁選もある。そこまでにどこかで勝負をかけないといけなかった。70歳になっても政治家をやっているわけだから、当然どこかで選挙的に勝ちにいく手をとらないといけない。純粋に政局だけに注力していたら、勝負をかけられたかもしれない。だけど、それはせず、コロナ対策でとにかくワクチンを集めることを頑張って、接種流通の整備をやった。とりあえず表面的な部分だけを見られて支持率が決まって、世論で批判されるのは残念だ」

 さらに、安部氏は「新型コロナのワクチンに関しては、確保に関して初動は正直遅れたと思う」とした上で、「それでも接種自体は非常に速いペースで進んでいる」と評価。

「これは菅総理と河野大臣の功績だけでなく、サポートしたデジタル大臣の平井卓也さんや小林史明さんの功績もあったはずだ。現状の政治の仕組みや内閣のシステムの範囲で見たら、ワクチン流通の部分で点数をつけると100点以上ではないか。これを評価せずに、なんでここまで支持率が下がってしまったのか。なぜ、メディアやマスコミが支持率を下げる方向に議論を進めてしまったのか。そこはしっかり判断した方がよかったと思う。評価する部分はちゃんと評価して、その情報をメディアが担ってもよかった」

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 また、egg専属モデルの“ゆうちゃみ”こと古川優奈も「新型コロナのワクチンが、若い世代で全然打てない状況が続いていた。今は若い世代が渋谷でワクチン接種ができるようになった。そういったことが実現されるのは、私たちもすごくうれしい」と話す。

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 菅総理の功績について、長年、側近としてサポートしてきた秋本氏は「そう言っていただけて、私個人としても非常にうれしい」とコメント。「菅総理の一面として、やはり実務型で口下手、かつ発信力が足りない部分はある。仕事の中で成果を見せて“背中を見れば分かる”というタイプだと思う」と述べ、「この新型コロナの危機的な状況で国民は、説明力があり、強いリーダーシップ性、メッセージ性を持った人を求めている。国民の思いに対して、私もチームの一員であると自覚しているが、やはりチーム全体にそういった部分がちょっと足りなかったのかなと、正直、そういった思いがある。そこは本当に忸怩たる思いで、もっと早い段階で、総理に強く進言すればよかった。結果として、もう後悔先に立たずだが、個人的にはそう思っている」と語った。

 総裁選を目前に飛び込んできた菅総理の不出馬表明。候補者が続々と名乗りを上げる中、しばらくは目まぐるしい展開が続きそうだ。(『ABEMA Prime』より)

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