アニメ開始時に流れるオープニング(OP)は、何回も繰り返し視聴されるものであるため、特に注力して制作される映像です。作画のクオリティはもちろん、絵コンテを監督が切ることも多く、演出にも力が入っています。
 そんなOPですが、決めのカットで、主人公やその仲間たちが左側を向いていることが多い印象はないでしょうか? これには映像の演出技法である「上手(かみて)」「下手(しもて)」の概念が関わっています。
 「上手」「下手」は舞台用語で、上手は観客から見た右側、下手は左側を指します。そして一般的に、上手には「主人公、善に属するもの、力あるもの」、下手には「敵、悪に属するもの、力劣るもの」を配置するという演出表現があります。