スケートボードの専門誌やDVDで観る華麗なライディングシーンは、もちろん、メイク(成功)したところだけが編集され、もっともカッコ良い場面だけを切り取って届けている。しかし、その裏には観ているだけでこちらまで痛くなってくる壮絶なスラム(失敗)シーンが無数に存在しているのをご存知だろうか? どんなトップスケーターであっても、一度もミスをすることなくメイクにたどり着くことは不可能なのだ。
スラムの過激さはメイクの華々しさに反比例する。つまり、カッコ良いシーンほど、失敗したときのコケ方がハンパないのだ! たとえば、想像してみてほしい。20段ほどのステア(階段)のハンドレールの途中でつまずいてしまい、下の段まで転げ落ちてしまったところを。
はっきり言って、その衝撃は尋常ではない。下手をすれば選手生命を絶つケガを負い、再起不能となるケースもあるのだ。それだけライダーたちは体を張って撮影に挑んでいる。ある有名ライダーがこんな発言を残している。「スケートボードとは、ある種、ペイン(苦しみ)に耐える宗教なんだ」と。これはスケートボードの本質をついた名言ではないだろうか。