高橋克典　『特命係長只野仁』の役作りで黒光りしすぎて闇に紛れる

　2003年7月に金曜ナイトドラマ枠でスタートし2012年まで人気シリーズとして愛されてきたドラマ『特命係長只野仁』サードシーズン、シーズン４がAbemaTVで7月16日、17日と一挙放送される。同ドラマは、主人公の只野仁が、昼間はうだつの上がらないサラリーマンから一転、夜になると会長からの特命を受け、社内外のトラブルを解決するスーパーサラリーマンとして大活躍するという物語。お色気シーンあり、アクションあり、小ネタてんこ盛りで、スタート直後から瞬く間に話題となり、今なおファンからの圧倒的な支持を受けている。同ドラマの主人公の只野仁役を演じた俳優、高橋克典に作品への思いを語ってもらった。

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『金夜のキャバクラ代を浮かす』がテーマ

――只野仁を演じるにあたってどのような役作りをしましたか？

高橋　昼間のキャラクターは当時フィーチャーされていたオタクキャラを意識しました。道の真ん中を歩かないで、申し訳なさそうに端を歩くとか。子供のころに親からもらったマフラーを大人になってからもしているという裏設定を考えて、用意してもらったマフラーにわざと毛玉を作ってもらったりもしました。そういう細かいことで直接的なぬくもり感とか、誰の記憶のなかにもありそうな懐かしさのような部分も出したかったんですよね。

――夜のキャラクターで意識したのは？

高橋　アクションシーンではブルースリーや松田優作、萩原健一などの僕の憧れみたいなものをイメージしていましたね。ベッドシーンは昭和のドリフターズみたいに、親から「見ちゃダメよ」と注意されるような雰囲気が出るように演じていました。あとは、全体的に金曜に発売される漫画雑誌のような印象を持ってもらえるように、4コマあり、色気あり、ヒューマンあり、相談コラムあり、グラビアありという感じで、思いついたことをどんどん詰め込んでいいきました。「金曜の夜のキャバクラ代を浮かす」というテーマを持っていて、1番大切にしていたのは、バカをやって笑ってもらおうという気持ちでした。

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夜のビーチで写真に写らない…役作りによる弊害

――只野仁を演じていてよかったことはなんですか？

高橋　よかったことは、なんでもかんでも遊べて面白くしていけるキャラクターだったこと。出演者、スタッフ全員で面白いことばかり考えてみんなで向かっていき、それと共に数字が伸びて視聴者にも楽しんでもらえたことは本当によかった。打ち上げをするたびにいいシゴトだったと感じられるような作品でした。

――反対に困ったことは？

高橋　しばらくの間はなにを演じていても只野仁に見えてしまいヒューマンドラマの話が来なくなっちゃったんですよ。それくらい只野には強烈なインパクトがあって、リスクも背負いながらエンタテインメントに従事したと思っています。あとね、象徴として黒光りしていたほうがいいと考え、ものすごい肌を焼いていたんですよ。当時、リゾート旅行に出かけて、夜のビーチで撮影した写真は僕だけ闇に紛れて写っていませんでした。

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AbemaTVで新シリーズの可能性は

――AbemaTVで只野仁の新シリーズを放送するのはいかがでしょうか？

高橋　只野を演じるには5キロ、4キロ、3キロ……減量しないとね。体脂肪も5％は下げないと只野にならないかな。あとはもう少し黒くなったほうがいいですね。

――AbemaTVは生放送もひとつのウリとなっています。生放送でしてみたいことは？

高橋　当時、生放送の聞き込みの企画を出したんですが時代的に難しく叶いませんでした。それがAbemaTVだったらできるかもしれませんね。放送前にはスマホのバイブが震えるみたいな。テレビや映画とは一味違うゲームに近いような作りにも挑戦できるかな。こんなことができたら面白いかなという構想はたくさん持っています。