トッテナムでは出番が限られているが……
現在オランダ代表を指揮しているルイ・ファン・ハールは、2014年のワールドカップ・ブラジル大会でもオランダ代表を3位へ導いた実績がある。そのチームで崩しの貴重なピースになっていたのがスピードスターのアリエン・ロッベンだ。
ロッベンとファン・ハールはバイエルンでも仕事をしており、ロッベンのスピードは当時のオランダに欠かせない武器だった。今のオランダにロッベン級のドリブルを持つアタッカーは見当たらないが、ファン・ハールが期待をかけている選手はいる。
トッテナムに所属する24歳のステーフェン・ベルフワインだ。このチョイスは意外かもしれない。トッテナムではソン・フンミン、ハリー・ケインが前線を支配し、今冬にはユヴェントスからデヤン・ックルゼフスキまで加わった。ベルフワインは主力になれず、今夏にクラブを離れる案も浮上している選手だ。決して満足いくシーズンを過ごしたわけではない。
それでもファン・ハールは今月3日のベルギー戦でベルフワインをメンフィス・デパイとのコンビでフル出場させており、ベルフワインもその期待に応えて1ゴールを記録。続くウェールズとのゲームでもベルフワインを途中出場させており、デパイとともにベルフワインが崩しのキーマンになる可能性がある。
オランダ『NU』に対し、ファン・ハールはベルギー戦でのベルフワインをこう称えていた。
「もしベルフワインが今夜のようにプレイできるなら、彼はロッベンやファン・ペルシーと同等になる。それにベルフワインにはよりスピードがある。ボールも失わず、ゴールも決めた。これ以上何が出来るというのか」
ベルフワインはスピードに加え、足下の技術もある。前線でボールを収めることもでき、本来は5大リーグのトップクラブでプレイできる選手だ。新シーズンにクラブで出番さえ掴めればオランダ代表でも主力になれる可能性があり、ファン・ハール体制で崩しのキーマンになり得るベルフワインにとってワールドカップまでの5カ月は勝負だ。