1998 FIFAワールドカップ フランス (フランスW杯)の優勝国、試合日程・結果、グループ組み合わせ、対戦カード、サッカー日本代表の成績について紹介します。

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目次

  • ワールドカップ1998 大会概要
  • ワールドカップ1998 大会日程・結果
  • 日本代表の結果・順位は?
  • まとめ 

ワールドカップ1998 大会概要

大会正式名

 「1998 FIFAワールドカップ フランス」です。

開催国

 フランスで開催されました。

 試合は、カリーニングラード、カザン、モスクワ、ニジニ・ノヴゴロド、サンクトペテルブルク、サマーラ、サランスク、ソチ、ヴォルゴグラード、ロストフ・ナ・ドヌ、エカテリンブルクといったフランスの11都市で行われました。

開催期間

 1998年6月10日から7月12日にわたって行われました。

概要

 参加国数が24カ国から32カ国に増えた初のワールドカップは、グループステージで大きな変更がありました。今までAからFの6グループで構成されていましたが、ワールドカップ1998から出場国が増えたことでAからHの8グループとなりました。グループ数の増加により各グループの上位2チーム、合計16チームが決勝トーナメントに進出するようになりました。

 ワールドカップ1998は、ウルグアイ、イタリア、ドイツ、ブラジル、イングランド、アルゼンチンに続いて、新たにフランスが優勝国の仲間入りを果たしました。エメ・ジャケ監督のフランス代表は、エリック・カントナ選手を外して新たにジネディーヌ・ジダン選手を中心に据えたチーム編成。ベテランのディディエ・デシャン選手、ローラン・ブラン選手、マルセル・デサイー選手らがチームをまとめ、ストライカーには期待の若手ティエリ・アンリ選手、ダビド・トレゼゲ選手が伸び伸びとプレーしました。

 準優勝はブラジル、3位はクロアチア、4位はオランダでした。ゴールデンボール賞(大会MVP)にはブラジル代表ロナウド選手が選ばれ、シルバーボール賞はクロアチアのダヴォール・シューケル選手、ブロンズボール賞にはフランス代表リリアン・テュラム選手が選出されました。ゴールデンシュー賞(大会得点王)には6ゴールを挙げたクロアチア代表ダヴォール・シューケル選手が輝いています。また、ヤシン賞(最優秀GK)にはフランス代表ファビアン・バルテズ選手が選出されました。ベストヤングプレーヤー賞(最優秀若手選手)はイングランド代表のマイケル・オーウェン選手、フェアプレー賞はイングランドとフランスが選ばれました。

 なおワールドカップ1998では各国の主力選手がメンバーを外れたことが大きな話題となりました。フランスでは、ジャケ監督の下でカントナ選手がキャプテンを務めてきました。しかし1995年1月25日に行われたクリスタルパレス戦で、当時マンチェスター・ユナイテッドに所属していたカントナ選手がサポーターにカンフーキックを見舞った事件をきっかけに、フランス代表でのプレー機会は失われ、最終的にはワールドカップ1998のメンバーに招集されませんでした。

 そのほか、最多となる5度目の優勝を目指したブラジルは、前回大会のMVPであるロマーリオがケガの影響でメンバーから外れました。イングランド代表のポール・ガスコイン選手は28人の代表候補に選ばれていましたが、体調と精神面の不調によりメンバー外となりました。日本でも、エースとして活躍してきた三浦和良(みうら かずよし/カズ)選手が、代表候補25人に選ばれながらも最終メンバーからは落選。帰国するカズ選手の映像がニュースで連日のように流されました。

 またワールドカップ1998ではチケット問題も起きました。日本やイングランド、スコットランド、ブラジル、ドイツ、オランダなどの試合で、チケットが購入者に届かない事態が発生しました。

 日本代表が初めてワールドカップに出場するため、多くのサポーターたちは現地観戦するために旅行代理店にツアーの申し込みを行いました。しかし、ワールドカップ1998の開幕直前になっても、観戦ツアーを申し込んだ人たちにチケットが届かない事態が発生。その後、チケット偽装問題やカメルーンサッカー協会とイギリスの業者間でチケットの横流しが行われるなど、さまざまな問題が発覚しました。

 事態を重く見たフランス組織委員会は、チケットの発券を一斉にストップさせました。そのため、旅行会社にチケットが届かない事態となりました。さらにチケットの発券枚数が少なくなったため、ダフ屋が横行。チケット価格が高騰し、1枚36万円などの高額な価格が設定されました。

 日本人サポーターの中には、チケットがないままフランスへの旅行を決断した方もいました。アルゼンチン戦を開催するトゥールーズ市は、会場に入れない日本人サポーターたちのために、市内のスポーツセンターや公園に試合を実況中継する巨大スクリーンを設置。座席も8,000席用意し、軽食や飲み物を無料配布しました。

 なお、ワールドカップ1998のチケット問題についてFIFAのゼップ・ブラッター次期会長は、主催者側の不備を認めました。ワールドカップ2002以降のチケット販売については、FIFAの直接管理下で販売する方針へと変更されました。

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ワールドカップ1998 大会日程・結果

順位 国名
1位 フランス(1回目)
2位 ブラジル
3位 クロアチア
4位 オランダ

優勝国はフランス

 ワールドカップ1998で優勝したのはフランス代表です。フランスはグループステージで、デンマーク、南アフリカ共和国、サウジアラビアとともにグループCに振り分けられました。初戦の南アフリカ戦は3-0、第2戦のサウジアラビアは3-0と2試合続けて快勝。最終戦でデンマークと対戦し、ユーリ・ジョルカエフ選手とエマニュエル・プティ選手のゴールにより2-1で勝利して、グループステージ1位通過となりました。

 ノックアウトステージのラウンド16では、グループDを2位通過したパラグアイと対戦。スコアレスで90分間を戦い終えて延長戦に突入すると、113分にローラン・ブラン選手のゴールが決まります。当時はゴールデンゴール方式を採用していたため、これが決勝点となりフランスが次のラウンドへと駒を進めました。

 準々決勝では3度のワールドカップ制覇を経験しているイタリアと対戦。延長含めて120分の死闘を演じましたが、スコアレスで決着は付かずに勝敗はPK戦に委ねられます。両者1名ずつが外した5人目、フランスはブラン選手が決めたのに対しイタリアはルイジ・ディ・ビアジョ選手のシュートがクロスバーにはじかれ、4-3でフランスがイタリアを下して準決勝進出を決めました。

 準決勝では、今大会初出場にして台風の目となったクロアチアとの対戦。前半は両者無得点で終えるも後半開始早々、クロアチアがダヴォール・シューケル選手の今大会5ゴール目で先制します。追いかける展開となったフランスでしたが、直後にリリアン・テュラム選手の国際大会初となるゴールで追いつき、69分には再びテュラム選手がゴールを決めてフランスが初のワールドカップ決勝進出を決めました。

 しかし、クロアチア戦でチームの大黒柱だったブラン選手が、クロアチアのスラベン・ビリッチ選手との小競り合いの中でレッドカードを提示されて退場に。決勝はブラン選手抜きで戦うことになりました。

 決勝では最多となる5度目の優勝を目指すブラジルと対峙しました。27分、コーナーキックからジネディーヌ・ジダン選手のヘディングシュートが決まってフランスが先制します。その後もフランスは、ディディエ・デシャン選手とクリスティアン・カランブー選手が相手のキーマンであるレオナルド選手とリバウド選手を徹底マーク。さらに前半アディショナルタイムにはジダン選手のゴールが決まって2-0で試合を折り返しました。

 後半は追いかけるブラジルがロナウド選手を起点に攻撃を仕掛けてきますが、フランスもGKバルテズ選手を中心に堅い守りで防ぎます。しかし68分にアクシデントが発生。マルセル・デサイー選手が2枚目のイエローカードを提示され、フランスは残り20分間を1人少ない状況で戦わなければ行けなくなりました。それでも集中した戦いを続けると、終了間際にはプティ選手がダメ押しとなる3点目を奪い試合は終了。自国開催のワールドカップで悲願の初優勝を飾りました。

準優勝国はブラジル

 ワールドカップ1998の準優勝はブラジルでした。前回大会の優勝国チームは、ワールドカップ1998のグループステージでノルウェー、モロッコ、スコットランドともにグループAに組み込まれました。スコットランドとの初戦は1-1で迎えた73分にオウンゴールで勝ち越し。これが決勝点となるなど、辛くも勝利しました。続くモロッコ戦では、ロナウド選手、リバウド選手、ベベット選手らの役者が揃い踏みで3-0と快勝。最終戦のノルウェー戦は、1点ビハインドの78分にベベット選手のゴールで同点としますが、試合終盤に決勝点を奪われ敗戦。しかし2勝1敗の成績でグループAを首位通過しました。

 ノックアウトステージのラウンド16では同じく南米のチリと対戦し序盤からゴールラッシュとなりました。サンパイオ選手とロナウド選手が2ゴールずつを奪い、4-1で勝利しました。準々決勝ではデンマークと対戦。開始2分で失点を喫しましたが、11分にべベット選手のゴールで同点とすると、27分にはリバウド選手のゴールで前半のうちに逆転します。後半に入り、失点して再び同点となりましたが、60分にリバウド選手のこの日2点目が決まり、ブラジルが次のラウンドへと駒を進めました。

 準決勝は欧州の強豪・オランダとの対戦。スコアレスで試合を折り返すと、後半開始早々にロナウド選手のゴールでブラジルが先行します。そのまま試合終了かと思われた87分、クライファート選手にゴールを許して1-1で90分を終えました。延長戦はお互いにゴールを奪うことができず、決着はPK戦へ。4人全員が成功したブラジルに対して、オランダは3人目のコクー選手、ロナルド・デ・ブール選手が外して勝負あり。ブラジルが決勝進出を決めました。ここまで全試合で得点を挙げてきたブラジルでしたが、フランスとの決勝戦は自慢の攻撃が鳴りを潜めて無得点。惜しくも優勝を逃す結果に終わりました。

3位はクロアチア

 ワールドカップ1998で3位になったのは初出場となったクロアチアです。ワールドカップ1998欧州予選の最終戦を前に、クロアチアは自力でのプレーオフ進出さえも危うい状況でした。それでも最終戦のアウェイ・スロベニア戦に勝利し、同時に行われていたギリシャvsデンマークの結果次第となりました。

 1位のデンマークと2位のギリシャによる直接対決。この試合でギリシャが勝利すると逆転で突破し、デンマークはプレーオフに回ります。しかしスコアレスで試合は終了。最終的にはデンマークがそのまま首位、スロベニアに勝利したクロアチアが2位に滑り込み、敗れたギリシャが3位転落となりました。

 ワールドカップ1998欧州予選で奇跡の大逆転を見せたクロアチアは本大会でも躍動します。アルゼンチン、ジャマイカ、日本と同居するグループHに入ると、初戦のジャマイカ戦に3-1で勝利し、ワールドカップ初白星を飾りました。続く日本戦は1-0で勝利し、最終戦のアルゼンチン戦は0-1で敗れるもグループ2位でノックアウトステージへと勝ち進みました。

 ルーマニアとのラウンド16は、前半終了間際に獲得したPKをダヴォール・シューケル選手が決めて、勝利しました。準々決勝のドイツ戦は前半終了間際に先制すると、後半にも2ゴールを追加して3-0と完勝しました。準決勝ではフランスと対戦。後半開始早々にエースのシューケル選手がゴールを奪いますが、直後に同点ゴールを許し、69分に決勝点を奪われてベスト4での敗退が決まりました。

 同じく準決勝で敗れたオランダとの3位決定戦。13分にロベルト・プロシネチキ選手のゴールで先生しますが、21分に同点ゴールを奪われます。しかしこの試合でも大活躍となったのがエース・シューケル選手。35分にゴールを奪うとこれが決勝点となり、初出場のクロアチアが大躍進し、世界3位となりました。なお、シューケル選手は大会6ゴールを奪う活躍でゴールデンシュー賞(得点王)に輝きました。

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ワールドカップ1998 決勝

日時 対戦カード
1998年7月12日 ブラジル 0-3 フランス

ワールドカップ1998 3位決定戦

日時 対戦カード
1998年7月11日 オランダ 1-2 クロアチア

ワールドカップ1998 準決勝

日時 対戦カード
1998年7月7日 ブラジル 1-1(延長:PK戦4-2) オランダ
1998年7月8日 フランス 2-1 クロアチア

ワールドカップ1998 準々決勝

日時 対戦カード
1998年7月3日 イタリア 0-0(延長:PK戦3-4) フランス
1998年7月3日 ブラジル 3-2 デンマーク
1998年7月4日 オランダ 2-1 アルゼンチン
1998年7月4日 ドイツ 0-3 クロアチア

ワールドカップ1998 ラウンド16

日時 対戦カード
1998年6月27日 イタリア 1-0 ノルウェー
1998年6月27日 ブラジル 4-1 チリ
1998年6月28日 フランス 1-0(延長) パラグアイ
1998年6月28日 ナイジェリア 1-4 デンマーク
1998年6月29日 ドイツ 2-1 メキシコ
1998年6月29日 オランダ 2-1 ユーゴスラビア
1998年6月30日 ルーマニア 0-1 クロアチア
1998年6月30日 アルゼンチン 2-2(延長:PK戦4-3) イングランド

ワールドカップ1998 グループA

順位 チーム
1 ブラジル 2 0 1 +3 6
2 ノルウェー 1 2 0 +1 5
3 モロッコ 1 1 1 0 4
4 スコットランド 0 1 2 -4 1
日時 対戦カード
1998年6月10日 ブラジル 2-1 スコットランド
1998年6月10日 モロッコ 2-2 ノルウェー
1998年6月16日 スコットランド 1-1 ノルウェー
1998年6月16日 ブラジル 3-0 モロッコ
1998年6月23日 ブラジル 1-2 ノルウェー
1998年6月23日 スコットランド 0-3 モロッコ

ワールドカップ1998 グループB

順位 チーム
1 イタリア 2 1 0 +4 7
2 チリ 0 3 0 0 3
3 オーストリア 0 2 1 -1 2
4 カメルーン 0 2 1 -3 2
日時 対戦カード
1998年6月11日 イタリア 2-2 チリ
1998年6月11日 カメルーン 1-1 オーストリア
1998年6月17日 チリ 1-1 オーストリア
1998年6月17日 イタリア 3-0 カメルーン
1998年6月23日 イタリア 2-1 オーストリア
1998年6月23日 チリ 1-1 カメルーン

ワールドカップ1998 グループC

順位 チーム
1 フランス 3 0 0 +8 9
2 デンマーク 1 1 1 0 4
3 南アフリカ 0 2 1 -3 2
4 サウジアラビア 0 1 2 -5 1
日時 対戦カード
1998年6月12日 サウジアラビア 0-1 デンマーク
1998年6月12日 フランス 3-0 南アフリカ
1998年6月18日 南アフリカ 1-1 デンマーク
1998年6月18日 フランス 4-0 サウジアラビア
1998年6月24日 フランス 2-1 デンマーク
1998年6月24日 南アフリカ 2-2 サウジアラビア

ワールドカップ1998 グループD

順位 チーム
1 ナイジェリア 2 0 1 0 6
2 パラグアイ 1 2 0 +2 5
3 スペイン 1 1 1 +4 4
4 ブルガリア 0 1 2 -6 1
日時 対戦カード
1998年6月12日 パラグアイ 0-0 ブルガリア
1998年6月13日 スペイン 2-3 ナイジェリア
1998年6月19日 ナイジェリア 1-0 ブルガリア
1998年6月19日 スペイン 0-0 パラグアイ
1998年6月19日 ナイジェリア 1-3 パラグアイ
1998年6月19日 スペイン 6-1 ブルガリア

ワールドカップ1998 グループE

順位 チーム
1 オランダ 1 2 0 +5 5
2 メキシコ 1 2 0 +2 5
3 ベルギー 0 3 0 0 3
4 韓国 0 1 2 -7 1
日時 対戦カード
1998年6月13日 韓国 1-3 メキシコ
1998年6月13日 オランダ 0-0 ベルギー
1998年6月20日 ベルギー 2-2 メキシコ
1998年6月20日 オランダ 5-0 韓国
1998年6月25日 オランダ 2-2 メキシコ
1998年6月25日 ベルギー 1-1 韓国

ワールドカップ1998 グループF

順位 チーム
1 ドイツ 2 1 0 +4 7
2 ユーゴスラビア 2 1 0 +2 7
3 イラン 1 0 2 -2 3
4 アメリカ 0 0 3 -4 0
日時 対戦カード
1998年6月14日 ユーゴスラビア 1-0 イラン
1998年6月15日 ドイツ 2-0 アメリカ
1998年6月21日 ドイツ 2-2 ユーゴスラビア
1998年6月21日 アメリカ 1-2 イラン
1998年6月25日 アメリカ 0-1 ユーゴスラビア
1998年6月25日 ドイツ 2-0 イラン

ワールドカップ1998 グループG

順位 チーム
1 ルーマニア 2 1 0 +2 7
2 イングランド 2 0 1 +3 6
3 コロンビア 1 0 2 -2 3
4 チュニジア 0 1 2 -3 1
日時 対戦カード
1998年6月15日 イングランド 2-0 チュニジア
1998年6月15日 ルーマニア 1-0 コロンビア
1998年6月22日 コロンビア 1-0 チュニジア
1998年6月22日 ルーマニア 2-1 イングランド
1998年6月26日 コロンビア 0-2 イングランド
1998年6月26日 ルーマニア 1-1 チュニジア

ワールドカップ1998 グループH

順位 チーム
1 アルゼンチン 3 0 0 +7 9
2 クロアチア 2 0 1 +2 6
3 ジャマイカ 1 0 2 -6 3
4 日本 0 0 3 -3 0
日時 対戦カード
1998年6月14日 アルゼンチン 1-0 日本
1998年6月14日 ジャマイカ 1-3 クロアチア
1998年6月20日 日本 0-1 クロアチア
1998年6月21日 アルゼンチン 5-0 ジャマイカ
1998年6月26日 アルゼンチン 1-0 クロアチア
1998年6月26日 日本 1-2 ジャマイカ

※表内の日時は全て現地時間

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日本代表の結果・順位は?

予選での日本の活躍

 1998 FIFAワールドカップ・アジア1次予選は、36チームが参加。3ないし4チームずつの10組に分けて、各グループで2回戦総当たりのリーグ戦を実施しました。そのなかで各グループ1位になったチームが、最終予選に進出します。日本は、​​オマーン、マカオ、ネパールと同組のグループ4に入り、5勝1分の無敗で最終予選に進出しました。

 1998 FIFAワールドカップ・アジア最終予選は、1次予選を勝ち抜いた10チームを5チームずつの2組に分けます。各グループで2回戦総当たり(ホーム・アンド・アウェー)のリーグ戦を行い、各グループ1位のチームが本大会への出場権を獲得。各グループ2位のチームは、アジア地区予選プレーオフに回ります。このプレーオフに勝利したチームには本大会への出場権が与えられ、敗れたチームはオセアニア予選1位チームとのホーム&アウェイ方式で対戦し、勝利チームには本大会への出場権が与えられます。

 日本は、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)​​、ウズベキスタン、カザフスタンと同組のグループBに入りました。3勝4分1敗で勝ち点13の成績を残しましたが、勝ち点19を獲得した韓国に次ぐグループ2位となり、アジア地区予選プレーオフを戦うことになりました。

 一発勝負での実地となったアジア地区予選プレーオフは、日本とイランが対戦。マレーシアのジョホールバルで開催されたこの試合は、39分に中山雅史(なかやま まさし)選手のゴールで先制するも、46分にアジジ選手のゴールで同点とされ、56分にはダエイ選手のゴールで逆転を許します。しかし、75分には途中出場の城彰二(じょう しょうじ)選手の値千金のゴールで試合は振り出しに。結局90分では決着がつかず、ゴールデンゴール方式の延長戦に入ります。

 延長戦ではなかなかゴールが生まれず、PK戦への突入も近づいた116分に歓喜の瞬間が訪れます。呂比須・ワグナー(ろぺす わぐなー)選手が中盤で奪取したボールを中田英寿(なかた ひでとし)選手がドリブルで持ち上がり、ペナルティエリア直前からミドルシュートを放ちます。アベドサデ選手がはじいたルーズボールに岡野雅行(おかの まさゆき)選手が走りこむと、スライディングしながら右足でゴールに押し込みました。

 試合終了直後、岡田武史(おかだ たけし)監督を始めスタッフ・ベンチメンバーが一斉にピッチへ飛び出し、岡野選手を祝福しました。シーソーゲームの末に、日本はこのゴールデンゴールで1998 FIFAワールドカップ本戦初出場を決めました。

 1954年のW杯スイス大会予選に参加して以来43年目、10回目の挑戦での出場権獲得となりましたが、ワールドカップの予選及び本大会でゴールデンゴール方式が採用されたのはフランス大会および日韓大会(2002年)のみで、2004年をもってゴールデンゴール方式は廃止されたため、ゴールデンゴール方式でW杯出場を決めたのは日本vsイラン戦に勝った日本だけです。

本大会での日本の活躍

 初のワールドカップ出場となった日本は、ワールドカップ1998本大会でグループHに入り、アルゼンチン、クロアチア、ジャマイカと対戦しました。2度の優勝経験を持つアルゼンチン以外の3カ国は初出場という極めて珍しいグループでした。

 初戦のアルゼンチン戦は、破壊的な攻撃力をもつ強豪を相手にディフェンシブな姿勢で臨みました。急造の3バックは機能しましたが、28分にゴール前のこぼれ球をガブリエル・バティストゥータ選手に決められて失点。手堅い出来のアルゼンチンに対して、後半は幾度かチャンスを作った日本でしたが、最後まで得点を奪えずに0-1で敗れました。

 第2戦のクロアチア戦は、酷暑の中での持久戦となりました。引き気味のクロアチアに対して主導権を握り、34分に中田選手のクロスから中山選手が最大の決定機を迎えましたが、GKに阻まれました。すると77分に、カウンターからダヴォール・シューケル選手にゴールを許します。追いかける展開となった日本は、攻撃的な選手を投入するもゴールを奪えず。2連敗で決勝トーナメント進出の望みが絶たれました。

 第3戦のジャマイカ戦はともに2連敗同士、ワールドカップ初勝利をかけた試合となりました。日本は攻勢に試合を進めましたが、隙を突かれてセオドア・ウィットモア選手に2ゴールを奪われました。敗戦の気配が漂う中で、74分に日本サッカーの歴史に刻まれる場面が訪れます。

 呂比須ワグナー選手のヘディングの折り返しを、中山選手が合わせて日本のワールドカップ初ゴールを記録したのです。その後、チーム最年少(18歳)の小野伸二選手が交代出場して才能の片鱗を見せましたが、3試合連続で1点差を追いつけず、3戦全敗という結果で初のワールドカップを終えました。

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まとめ 

 今回はワールドカップ1998の大会結果や優勝したフランスの戦いぶりなどについて詳しくお伝えしました。今年行われるワールドカップ2022で、7大会連続の出場となった日本にとっては忘れられない初出場の大会。この機会に忘れられないワールドカップを振り返ってみてはいかがでしょうか。

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