チアゴ・シウバ、マルキーニョスとの同時起用は面白い
ワールドカップ優勝候補の一角に挙げられるブラジル代表において、数少ない不安のあるポジションがサイドバックだ。以前はマルセロ、マイコン、ダニエウ・アウベスなど超攻撃的なワールドクラスプレイヤーがいたが、今はそこまで派手な実力を持つサイドバックはいない。
今は万能型のダニーロ、レナン・ロディ、高いキック精度を持つ左のアレックス・テレス、そして大ベテランになったアウベスも候補だ。アウベスは今も高い技術を誇るが、さすがに全盛期は過ぎた印象が強い。攻撃力という点においては、今のブラジルサイドバック陣は少々地味か。
そんな絶対的サイドバックに欠ける状況で、代表監督チッチは23日に行われたガーナとの親善試合でレアル・マドリードDFエデル・ミリトンを右サイドバックに抜擢した。センターバックではマルキーニョスとチアゴ・シウバがコンビを組んでおり、センターバックが豊富だからこそ取れる選択肢だ。
スペイン『MARCA』はこれが当たっていたと振り返る。左サイドバックにはアレックス・テレスを起用しており、テレスはキック精度の高い選手だ。攻撃時にはテレスを積極的に高い位置へ押し出し、ミリトンがスライドする形で3バックとなって攻守のバランスを取ることもできる。
ミリトンといえば6月に行われた日本代表とのテストマッチでも途中からサイドバックに入り、三笘薫のドリブルを止めたことが記憶に新しい。さすがレアルの最終ラインを任されるだけあって1対1の強さは尋常ではない。
同メディアはミリトンの右サイドバック起用がフィットしたと捉えており、本大会でも継続されるかもしれない。今のブラジルは攻撃のタレントが豊富に揃っているため、サイドバックに守備の仕事を優先的に求めるのも悪くない。
今回のガーナ戦ではマルキーニョス、チアゴ・シウバ、ミリトンを同時起用しながら、ベンチにはユヴェントスのブレーメルとローマのロジェール・イバニェスが控えている豪華ぶりだった。今回は召集されていないが、アーセナルのガブリエウ・マガリャンイスだって代表候補だ。今のブラジルはセンターバックがかなり充実しており、そこも大きな強みだ。ミリトンのサイドバック起用は有効なオプションとなりそうで、ブラジルの守備網もカタール大会の注目ポイントだ。