ことし11月20日に開幕する「FIFA ワールドカップ カタール 2022」。ワールドカップを制覇した各国チームと選手たちを追うNetflixのドキュメンタリー番組『チャンピオンへの軌跡』(エピソード3「ドイツ:舞い上がる不死鳥」)において、W杯におけるドイツ代表の歴史を振り返ることができる。

強豪国ドイツのサッカーの強みは、選手たちの身体的な強さに加え、「諦めない精神」が根付いていることにあるという。そのドイツ人特有の精神について語るのは、元西ドイツ代表でドイツ代表監督も務めたベルティ・フォクツや、歴史家ニルス・ハーヴェマンらだ。

2002年日韓W杯において横浜・日産スタジアム(横浜国際総合競技場)で開催されたドイツ対ブラジルの決勝では、ドイツはブラジルに破れて準優勝に終わった。決勝進出という華々しい成績を残した一方で、チームは暗礁に乗り上げていたという。

ドイツサッカー連盟はフランスをモデルに人材育成の制度を導入し、若手の育成に力を注ぐことに決めた。2006年以降、代表監督はユルゲン・クリンスマンから助手だったヨアヒム・レーヴへと引き継がれながら、若手世代を起用するチーム作りが進められていく。

2006年ドイツW杯の準決勝ではイタリアに敗れたドイツ。2010年南アフリカW杯では、ドイツは準々決勝でマラドーナが監督を務めるアルゼンチンに勝利したが、準決勝でスペインに敗北。2大会連続でドイツは3位となり優勝を逃した。

2014年ブラジルW杯の準決勝では、ドイツがネイマールを擁する開催国ブラジル相手に7対1の勝利をあげるという快挙を成し遂げた。政治的・社会的な重圧や大衆の期待に押し潰されるかのように総崩れしたブラジル。誰にとっても信じがたい試合結果となったが、ベルティ・フォクツは「サッカー通なら決して忘れない。ブラジルにあの点数で勝つなんて夢の実現だ」、歴史家ニルス・ハーヴェマンは「今日までのドイツ代表歴史上最高の瞬間だ」と、最も心に残る試合として振り返っている。アルゼンチンとの決勝に挑んだドイツは、接戦の末に延長戦でマリオ・ゲッツェが決勝ゴールを決め、その年のW杯で優勝した。

ついにドイツが優勝を勝ち取ったW杯を見た作家ジョン・カーリンは「ドイツ代表チームは最も効率的で執念深いサッカーマシーン」だと見る考え方を固めるに至ったという。そして、今後のドイツ代表は「もっと勝利を重ねることで他国にはさらに脅威になる」とベルティ・フォクツは期待を寄せる。

FIFA ワールドカップ カタール 2022 完全ガイド by ABEMA
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