9月シリーズで出番がなく、選出は厳しいと思われていた。それだけに、滑り込んだのは驚きだったようだ。

 11月12日、韓国サッカー連盟は、カタール・ワールドカップに挑む同国代表のメンバー26人を発表した。

 左目付近を骨折したエースのソン・フンミンらが選出されるなか、韓国メディアが最も驚きをもって報じているのがイ・ガンインの招集だ。21歳のMFは今シーズン、“親友”久保建英が去ったマジョルカで攻撃の中心として躍動。9月に、0-3で完敗した21年3月の日韓戦以来1年6か月ぶりの代表復帰を果たした。

 しかし、パウロ・ベント監督はコスタリカ、カメルーンとの2試合でこのレフティを起用せず。怒った韓国サポーターから大ブーイングが起こる事態となってもいた。
 
 その“至宝”の選出に韓国は沸いている。同国メディア『EDAILY』は「徹底的に無視されていたイ・ガンインが実力で強情なベントを打ち負かした」と題した記事を掲載。「最終エントリー26人のうち“サプライズ抜擢”は断然イ・ガンインだ」と伝え、こう続けている。

「ベント監督は代表メンバー発表後、イ・ガンインの選出理由について『技術がかなり良いのが長所だ。いくつかの部分で成長を見せたため、選出した』と明らかにした。そして『どう起用するのかはいま言うのは難しく、試合をしてみなければならない。ワールドカップで試合中にはどんなことが起こるのか予想しにくい部分がある』と付け加えた」

 同メディアは「これまでイ・ガンインはベント監督から徹底的に無視された。指揮官は正確な理由を明らかにしなかったが、前線でのプレスやユーティリティ性で監督のスタイルと合わないという分析が出ていた」と指摘。9月に出番がなかった件に触れ、次のように報じている。

「イ・ガンインは失望しなかった。『所属チームに戻って最高の姿を見せる』と覚悟を固めた。戻った後、育ててくれたバレンシアを相手に今季2点目を挙げるなど、14試合で2ゴール・3アシストをマークして、エースの役割をしっかり果たしている」

 同メディアは「最終リストに入ったが、選手起用に保守的なベント監督のスタイルではイ・ガンインが試合に出せるかは未知数だ。大会期間中、ベンチを温めて戻って来る可能性もある。現況では、その可能性が高いと思われる」と懸念しつつ、こう締めくくっている。

「しかし、年齢が若くて未来を担うイ・ガンインがワールドカップの舞台を経験するというだけでも韓国サッカーには大きな助けになる。今回のワールドカップでの経験を基に、以後の大会では堂々と主軸メンバーになれる。主力ではなくてもキックとパスの能力が良いだけに『優れたジョーカー』として活躍する可能性も排除できない」

 大黒柱のソン・フンミンが万全ではないだけに、イ・ガンインの活躍に期待が懸かる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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