日本代表の遠藤航はドイツ1部ブンデスリーガのVfBシュツットガルトでキャプテンを務め、DUEL王を2季連続で獲得した今大会における注目の選手だ。そんな遠藤が書いた『DUEL~世界で勝つために『最適解』を探し続けろ』(ワニブックス)では、「戦う姿勢」を保つことの難しさについて綴られている。

遠藤は長友佑都の名前を挙げて、「戦う姿勢」を作るのが非常にうまい選手だと説明。ヨーロッパの強豪でプレーしてきた日本屈指のキャリアを持つ長友は、ことあるごとに「メンタリティ」について語ってきたという。

カタールW杯の最終予選で苦戦していた時期に、長友を含めたベテラン勢は「戦う姿勢」を全員に強く求めたものの、遠藤を含めた若手選手らは「もっと戦術的な整備をしたい」と発言。遠藤はその理由について「日本代表という特別な場所で、僕自身『戦う姿勢』は持ち合わせているつもりだった」と振り返る。しかし最終予選をギリギリで突破したという結果について「あのときを振り返れば両方が足りなかった」と反省した。

遠藤は「持っているつもりでも、どこかで失ってしまう」というのが戦う姿勢の難しさだとして、最終予選で何度も戦ってきた長友だからこそ熱く訴え続けていたのではないかと分析した。

同著では、長友がロシアW杯の際に突然髪を金髪にして「スーパーサイヤ人」になった際の裏話も書かれている。試合後の食事のときに交わされた会話、そして長友の行動に遠藤は何を思ったのか。気になる人はぜひ読んでみて欲しい。

photo:徳丸篤史 Atsushi Tokumaru