【専門家の目|金田喜稔】三笘薫の“ギリギリプレー”に言及「称賛すべきはあの動き」

 森保一監督率いる日本代表は、現地時間12月1日のカタール・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第3節でスペイン代表と対戦し、2-1の逆転勝利を収めた。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、論争を呼んでいる日本の決勝ゴールについて持論を展開。MF田中碧(デュッセルドルフ)の逆転弾につながったMF三笘薫(ブライトン)の“ギリギリプレー”を「髪の毛数本、紙1枚分入ってる」と評し、「もう神の領域」と激賞した。

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 三笘が入ることで日本代表チームの雰囲気が一変する。やはり三笘の存在感は抜群だし、その思いを新たにしたゲームだった。なんで最初から出さないんだ、という思いは正直今もあるが、後半の勝負どころで投入すると割り切れば、これほど最強の交代カードはない。チーム全体のスイッチが入るのは三笘の存在があるからだろう。

 田中の決勝ゴールが生まれた場面、三笘のパスがラインを割ったのかどうか大論争となっている。

 確かにボールの下はラインを割っていたが、ボールの中央部分、つまり宙に浮いているところはラインから数ミリ、髪の毛数本分、紙1枚分入ってるという判断だったのだろう。本当に紙一重。肉眼で分かるか分からないか微妙なレベルだった。

 大げさに言えば、もう神の領域だ。それぐらい微妙なところだったと思う。レフェリーによって、ひょっとしたらノーゴールと判定する人がいても不思議ではなかった。どちらとも取れるぐらいわずかな差だったが、それでもギリギリ内側に残っていたと思う。

 決勝ゴールの場面、称賛すべきは三笘の動きだ。あの体勢で、あのボールに、あのキックをする。そこを褒めるべきだろう。

 あのパスを出せるのは三笘しかいなかった。それぐらい難しいプレーだった。普通はゴールラインを割るところだ。あのスピードであれだけ身体をひねるのだから、ワールドクラスのプレーと言っても過言ではない。あの粘りがなければ、そもそも際どいプレーも生まれていなかった。まさに気迫と執念が生んだゴールだったと言えるだろう。(FOOTBALL ZONE編集部)