FIFAワールドカップカタール2022・グループH第3節が2日に行われ、韓国代表とポルトガル代表が対戦した。

 自力でグループステージ突破を決めることができない韓国代表は、最後まで望みをつなぐためには勝ち点3が必要な状況。その韓国は、万全の状態ではないDFキム・ミンジェ、MFファン・ヒチャンらがスタメンを外れ、期待の“新星”イ・ガンインがスタメンに名を連ねた。

 一方、すでにグループステージ突破が決定しているポルトガル代表は、引き分け以上の結果で首位通過が確定する状況。決勝トーナメント1回戦でブラジル代表との対戦を避ける上でも2位通過は避けたいところ。DFヌーノ・メンデス、DFダニーロ・ペレイラ、MFオタヴィオらが負傷により欠場となるなか、前節のウルグアイ戦から6選手を入れ替えて韓国戦に臨んだ。

 試合は開始5分で動く。最終ラインでボールを持ったポルトガル代表のペペが右サイドで高い位置をとったディオゴ・ダロトへロングパスを供給。これを受けたダロトがDFを剥がしてボックス右の深い位置まで侵入し、折り返したボールをニアサイドにいたリカルド・オルタが右足で合わせた。

 いきなりポルトガルに先手を奪われ、出鼻を挫かれた韓国は、高い位置からプレスをかけて反撃を試みる。17分にはショートコーナーからソン・フンミンのクロスにチョ・ギュソンが頭で合わせたボールはGKディオゴ・コスタにセーブされ、弾いたボールにチョン・ウヨンが反応。こぼれ球をキム・ジンスが押し込んだがオフサイドの判定でノーゴールとなった。

 しかし、拮抗した状況の中で迎えた27分、左サイドでCKを得るとニアサイドでチョ・ギュソンが潰れ、流れてきたボールがクリスティアーノ・ロナウドの背中に当たってゴール前へ。これをキム・ヨングォンが押し込んで、韓国が試合を振り出しに戻した。これで勢いに乗るかと思われた韓国だったが、時間の経過と共にポルトガルが主導権を握る展開のなかで前半は終了を迎える。

 迎えた後半もポルトガルペースで試合は進んだが、66分にMFファン・ヒチャンを投入すると韓国がギアをチェンジ。鋭い出足を見せ始め、高い位置でのボール奪取からソン・フンミンやファン・インボムがゴールへと迫った。しかし、徐々にポルトガルが試合をコントロール。このまま試合終了を迎えるかと思われたが、アディショナルタイムに劇的な結末が待っていた。

 90+1分にポルトガルのCKからカウンターを発動。ソン・フンミンがドリブルでボールを持ち込み、DFに囲まれる中で方向からボックス中央に走り込んできたファン・ヒチャンにスルーパス。これをファン・ヒチャンが流し込み、韓国が土壇場で勝ち越しに成功した。

 結局、試合は2-1のまま終了。別会場ではウルグアイが2−0で勝利し、韓国が総得点の差で決勝トーナメントに滑り込んだ。グループHからはポルトガルが首位で、韓国が2位でベスト16に進出。ポルトガルはグループGの2位チームと6日に、韓国はグループGの1位チームと5日に対戦する。

【スコア】
韓国代表 2-1 ポルトガル代表

【得点者】
0-1 5分 リカルド・オルタ(ポルトガル代表)
1-1 27分 キム・ヨングォン(韓国代表)
2-1 90+1分 ファン・ヒチャン(韓国代表)

【スターティングメンバー】
韓国代表(4-3-3)
GK:キム・スンギュ
DF:キム・ムンファン、キム・ヨングォン(81分 ソン・ジュンホ)、クォン・ギョンウォン、キム・ジンス
MF:JU・ウヨン、ファン・インボム、イ・ガンイン(81分 ファン・ウィジョ)
FW:チョ ギュソン(90+3分 チョ・ユミン)、ソン・フンミン、イ・ジェソン(66分 ファン・ヒチャン)

ポルトガル代表(4-3-3)
GK:コスタ
DF:ダロト、ペペ、アントニオ・シルヴァ、カンセロ
MF:ネヴェス(65分 レオン)、ヴィティーニャ(81分 B・シウヴァ)、ヌネス(65分 パリーニャ)
FW:オルタ、ロナウド(65分 アンドレ・シルヴァ)、マリオ(81分 カルヴァーリョ)