【専門家の目|栗原勇蔵】ウルグアイの選手が「引っかかりに行ってる」のを加味しても…

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング20位)は、3月24日にキリンチャレンジカップでウルグアイ代表(同16位)と対戦し、1-1で引き分けた。前半26分にボールロストからDF瀬古歩夢(グラスホッパー)がタックルで相手を阻止したプレーについて、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「結果的にいい判断」としつつも、「ファウルでもおかしくない」と見解を述べている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)ではスーパーサブだったMF三笘薫(ブライトン)が先発出場してドリブル突破を見せるなど、攻撃を仕掛けた日本。前半26分にはMF守田英正(スポルティング)が敵陣でパスミスからボールを奪われ、カウンターを受ける。

 ウルグアイMFファクンド・ペリストリが持ち上がろうとしたところを、瀬古が右足でスライディングに行って阻止。ペリストリは左足首付近を押さえてピッチに倒れ込んだが、韓国のコ・ヒョンジン主審はファウルとはせず、プレーを流した。

 会場はざわつき、日本はボールを外に出してプレーを中断。ウルグアイのFWマキシミリアノ・ゴメスとDFセバスティアン・コアテスがコ・ヒョンジン主審に抗議したが、判定は変わらなかった。

 元日本代表DF栗原氏は、「守田がボールを奪われての展開でした。ああいう場合はイメージが悪くて、ファウルが取れれやすく、イエローカードやレッドカードも出やすい。ノーファウルだったのはラッキーだった」と前置きしつつ、「ウルグアイの選手(ペリストリ)からしたら少し可哀想。ファウルを耐えて、少し大きくなったところで、接触があったのに、ノーファウルですから」と語った。

「スライディングに行った瀬古はボールを触っていない。(中央でカバーに来た)板倉(滉)の動きは見えているはずなので、少しでもボールを触れればと、考えていたと思います。ウルグアイの選手がファウルをもらいに引っかかりに行っているのが、審判の角度的に印象が強かったかもしれない。板倉のカバーが数メートルうしろだったら、DOGSO(Denying an Ovious Goal-Scoring Opportunity/決定的な得点機会)で退場まであり得た。横から行ってボールに当たっていなければ、妨害のために滑ってるのと同義ですけど、瀬古は足を必要以上に上げてはいないので、結果的にはいい判断ということになったと思います」

 栗原氏は、「紙一重のシチュエーションで、どちらに取られても仕方ない」と判定の難しさに触れていた。(FOOTBALL ZONE編集部)