12月19日、2022FIFAワールドカップカタール(カタールW杯)の全日程が終了。国を代表して戦った選手たちは、それぞれ再びクラブ単位での活動が始まる。今ではその多くが欧州クラブ所属となった日本代表の選手たちも例外ではない。

今カタールW杯での活躍で、ビッグクラブへの移籍の噂も出ている選手もいるが、ここではW杯で活躍した日本代表選手の同僚に注目してみたい。欧州での日本代表選手の活躍を見ていく際に同時に注目したい同僚の選手たちを、ベスト11形式で紹介していく。


カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
スイス代表 GKヤン・ゾマー 写真:Getty Images

ヤン・ゾマー(スイス)

所属クラブ:ボルシアMG
所属日本代表選手:DF板倉滉

カタールW杯ではベスト16で、ポルトガル攻撃陣を前に6失点と大敗を喫したスイス。長くスイス代表のゴールを守るGKヤン・ゾマーにとっては、不本意な大会となってしまったのかもしれない。しかし、グループリーグでゾマーの出場した2戦は堅守を誇っており、敗北したブラジル戦(11月29日)でも試合終盤まで猛攻をしのぎ続けた。


カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
ウルグアイ代表 DFセバスティアン・コアテス 写真:Getty Images

セバスティアン・コアテス(ウルグアイ)

所属クラブ:スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル
所属日本代表選手:MF守田英正

古豪復活を果たすべくカタールW杯に臨んだウルグアイだったが、難敵ぞろいのグループHを突破することは叶わなかった。特に勝利が必要だった第3戦のガーナ戦(12月3日)。目を覚まし躍動する攻撃陣が目立ったが、守備陣の奮闘も忘れてはならない。中でもDFセバスティアン・コアテスは、GKセルヒオ・ロシェらと共にゴールにカギをかけるような集中力と守備強度を終始維持。最終盤には決定機に絡むシーンもあったが追加点は挙げられず、逆転でのグループリーグ突破は果たせなかった。


カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
スイス代表 DFニコ・エルベディ 写真:Getty Images

ニコ・エルベディ(スイス)

所属クラブ:ボルシアMG
所属日本代表選手:DF板倉滉

カタールW杯で、3大会連続となる決勝トーナメント進出を果たしたスイス。グループリーグでは、突破に向けセンターバックの一角を担ったDFニコ・エルベディも堅守に貢献した選手の1人と言えるだろう。特に重要な初戦のカメルーン戦(11月24日)では、スピードを武器に突破を阻みチャンスを潰すシーンも見られた。


カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
エクアドル代表 DFペルビス・エストゥピニャン 写真:Getty Images

ペルビス・エストゥピニャン(エクアドル)

所属クラブ:ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン
所属日本代表選手:FW三笘薫

カタールW杯グループリーグの3戦全てにスタメン出場を果たしたエクアドル代表DFペルビス・エストゥピニャン。残念ながらエクアドルはグループリーグで敗退したが、開幕戦では開催国カタールに快勝(11月21日)。2戦目はオランダを苦しめている(1-1)。そのオランダ戦(11月26日)で躍動したのがエストゥピニャンだ。取り消された幻のゴールをはじめ、前線で多くボールに絡み好機を演出。時には最前線の中央付近にポジションを取るなど、攻撃に厚みを加える存在となっていた。


カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
クロアチア代表 DFヨシプ・ユラノビッチ 写真:Getty Images

ヨシプ・ユラノビッチ(クロアチア)

所属クラブ:セルティック
所属日本代表選手:FW前田大然

前回ロシアW杯準優勝の雪辱を果たすべく、カタールで頂点を目指したクロアチア。残念ながら準決勝(12月14日)でアルゼンチンに敗れ3位となったが、中でもDFヨシプ・ユラノビッチの活躍は大きかったと言えよう。圧倒的なスピードを武器に攻守に大きく貢献。ドリブルで推進力を、プレスバックでは強力な攻撃をはじき返す粘り強さをクロアチアにもたらした。

カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
ガーナ代表 MFトーマス・パーテイ 写真:Getty Images

トーマス・パーテイ(ガーナ)

所属クラブ:アーセナル
所属日本代表選手:DF冨安健洋

残念ながらカタールW杯はグループリーグで敗退したガーナ。強力な攻撃陣を誇る3チーム(ポルトガル、韓国、ウルグアイ)を相手にしながら、MFトーマス・パーテイは広い守備範囲で接戦に貢献した。3試合で失点は「7」と決して少ない数字ではないが、パーテイの運動量がなければ一方的な敗戦もあり得ただろう。また、機を見た縦パスで攻撃への貢献度も高く、チームの心臓として役割を果たした。


カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
オーストラリア代表 MFアーロン・ムーイ 写真:Getty Images

アーロン・ムーイ(オーストラリア)

所属クラブ:セルティック
所属日本代表選手:FW前田大然

カタールW杯で2006年のドイツW杯以来となるベスト16進出を果たし、日本や韓国と同様アジア勢躍進の立役者となったオーストラリア。中でもMFアーロン・ムーイの献身的なプレーには光るものがあった。攻守に渡るハードワークはもちろん、効果的なサイドチェンジとその精度は、視野の広さと技術の高さを示すことにもつながったと言えるだろう。


カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
アルゼンチン代表 MFアレクシス・マック・アリスター 写真:Getty Images

アレクシス・マック・アリスター(アルゼンチン)

所属クラブ:ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン
所属日本代表選手:FW三笘薫

カタールW杯で見事36年ぶりの優勝を果たしたアルゼンチン。その立役者の1人となったのが、MFアレクシス・マック・アリスターだ。FWリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)をはじめとする強力な攻撃陣を生かすため、中盤で前後からボールを引き出し供給役として躍動。決勝戦(12月19日)でもアシストを記録するなど、高い評価に値する活躍を見せた。


カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
フランス代表 FWマルクス・テュラム 写真:Getty Images

マルクス・テュラム(フランス)

所属クラブ:ボルシアMG
所属日本代表選手:DF板倉滉

「怪物」FWキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)の影に隠れてしまっているが、カタールW杯でスーパーサブとしてフランスの攻撃の活性化に一役買っていたのがFWマルクス・テュラムだ。父でありフランス代表の英雄でもあるリリアン・テュラム氏と同様、高い身体能力が大きな魅力。フランスの攻撃陣はタレントも豊富で、次回W杯以降もポジション争いは激しいことが容易に予想できる。しかし、今大会で両翼を担ったムバッペもFWウスマン・デンベレ(バルセロナ)も決して高さがあるわけではない。テュラムの192cmという高さは、今後のフランスに間違いなく必要なものとなるだろう。


カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
イングランド代表 MFブカヨ・サカ 写真:Getty Images

ブカヨ・サカ(イングランド)

所属クラブ:アーセナル
所属日本代表選手:DF冨安健洋

カタールW杯準々決勝敗退となったイングランドだが、5試合13得点と攻撃陣の破壊力を見せつけた。特に大会を通して3得点を挙げ、得点力の高さを見せたのがMFブカヨ・サカだ。他の得点者を見ても、まだまだ若く伸びしろ十分な選手の揃うイングランド。次回W杯でもその攻撃陣の火力に、他チームが手を焼くことは間違いない。


カタールW杯で躍動した日本代表選手の同僚ベスト11
スイス代表 FWブレール・エンボロ 写真:Getty Images

ブレール・エンボロ(スイス)

所属クラブ:ASモナコ
所属日本代表選手:FW南野拓実

カタールW杯で3大会連続のベスト16敗退となったスイス。しかし、その中でもFWブレール・エンボロは確かな存在感を示したといっていいだろう。グループリーグのカメルーン戦(11月24日)、セルビア戦(12月3日)でのゴールはもちろん、その簡単には倒れない強靭なフィジカルでボールを収め、最前線の起点として役割を果たした。