「今が最後の最後の機会であり、出発点の出発点、始まりの始まりだ」国民・民主合流に小西洋之議員が訴え
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 「この数カ月間、我々が国会の中で言ってきたことは、“これで失敗したら完全に見捨てられる。野党全体が完全に失望される”ということ。最後の最後の機会だと思っている」。

・【映像】小西洋之議員が反省の弁も 立憲と国民が合流へ 僅か4年で民主党に逆戻り!?

 国民民主党の立憲民主党への合流についてそう語るのは、新党入りする小西洋之参議院議員(無所属・立憲民主党会派)だ。

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 しかし振り返ってみれば、両党はもともと「民主党」という一つの政党だ。2009年には政権交代を実現するも、2012年には自民党が奪回。2016年には「維新の党」が加わり民進党に。しかし2017年、都議選で自民党を圧倒した小池百合子知事が率いる「都民ファーストの会」が登場、国政進出のため「希望の党」を旗揚げすると、民進党の前原代表(当時)は「政権交代を実現するプラットフォームを作るということだ」と説明、合流を決断する。

 ところが小池代表の「党の方針に従わなければ“排除する”」との姿勢に反発した枝野幸男議員(当時)らは合流を拒否、「立憲民主党」を結党した。さらに希望の党に移る議員、無所属で立候補する議員、そして国民民主党が立ち上がるなど、民進党はバラバラになっていった。しかもこの国民民主党には、民主党から分かれ「国民の生活が第一」「生活の党」「自由党」と変遷してきた小沢一郎氏らも合流するなど、極めて複雑な経緯をたどっている。

■「100億円積まれても自民党には入らない」

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 150人を超える規模でスタートを切る見通しとなった新党。立憲民主党の福山哲郎幹事長は20日、「いよいよこれから安倍政権に対峙する野党の力を国民に信頼いただくという作業が始まるという思いでいっぱいだ」、安住淳国対委員長も「議会は数で戦っているので、質問時間も含めて、部屋の割り当ても数だ」と抱負を語った。

 EXITのりんたろー。は「仲が良かった頃のことを想像して、問題が解決しないまま情だけで復縁を迫ったり、迫られたりということが恋愛ではよくある。結局は元には戻れないのに」と尋ねると、小西議員は「とてもいい質問だと思う」として、次のように説明する。

 「恋愛でいえば、とても仲が良く、結婚をしていたわけだ。別れたくて分かれたわけでもない。むしろ、泣く泣く別れた。ただ、2017年の9月の総選挙の時、小池都知事の人気にあやかろうと、“他力本願的”な選挙をやってしまった。衆議院の先生方は民進党を離党させられ、希望の党に入党して選挙することになった。しかし小池さんから“あなた方は来ないで”と排除されたり、入った後は理念・政策とは違うことを突き付けられたりした。ただ、基本的な理念・政策については15年、20年の民主党の歴史があるので、そこには変わりはない。去年の秋からは同じ会派、いわば結婚までは至らないが同棲し、もう一度やっていけるかということを確かめ合った。コロナ対策で皆さんに10万円をしっかりお届けするといった政策も実現できた。これはもう大丈夫だということを確認し合っている」。

 かくいう小西議員自身は立憲民主党には参加せず、無所属として活動してきた。

 「“やせ我慢”で頑張ってきた。なぜかと言えば、国会議員がいきなり民進党が立憲・国民に分かれたせいで、各地域では1年後に統一地方選を控えた地方議員の皆さんに迷惑をかけたからだ。私の地元は千葉だが、立憲・国民に分かれた地方議員の皆さんが選挙で潰し合うということにならないよう、野田前総理と一緒に千葉民主連合という中間の政治団体を作り、選挙調整をやった。それは自分が無所属でなければできない。今回の合流のために、私の何百倍と汗を流して来た議員がいっぱいいる。野田前総理もその一人だ」。

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 ただ、国民民主党の玉木雄一郎代表を始め、山尾志桜里議員、前原誠司議員は新党に合流しないことを表明しており、党員数1桁程度の新党を結成する見通しだ。また、立憲民主党と国民民主党には主要政策での違いも目立つ。再び内部で揉めて、分裂するということはないのだろうか。

 小西氏は「私はかつて総務省で官僚として働いていたが、やはり政権をとってなんぼだ。政権を握っているからこそ、実現できる政策がある。その点を、自民党は肌感覚で知っている。私は“理念なき権欲政党”と呼ばせてもらっているが、むしろ野党よりも考え方が違う方々が一緒にいる。だから強い。その意味では、政治家としての執念が足りなかったと思う。自分たちの目指す政策を実現するためには、何があっても政権は手放さない、この議員、この大臣うっとうしい、腹立つなと思っても、ぐっと我慢するという、そのための修行が足りなかったのだと思う。ただ、例えば細野さんは自民党のグループに行こうとしている。かつて民主党で安保法制は憲法違反だという見解をまとめたが、細野さんは政調会長としてその責任者だったのに、その憲法違反の法律を作った政党に行くのかと。私なら、100億円積まれても自民党には入らない。入るのだったら、議員を辞める」とコメント。

 その上で、「今回、150人以上の規模になると言われているし、政治家は個性が強く、煮ても焼いても食えない人はいっぱいいる。しかし、“この考えだけは共通で持とう”という綱領があるし、そこに書かれた理念・政策に賛成し、実現するという約束ができる議員だけが参加することになっている。この3年間は分かれていたが、少なくとも1年間は同棲もやって、お互いを深く確認し合ってきた。違いよりも共通点だ。目先の損得で理念・政策を放り出すような人は議員を辞めてもらったらいい」とした。

■「今が出発点の出発点、始まりの始まりだ」

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 ネット編集者の中川淳一郎氏は、民主党が政権交代を実現した背景には、不祥事が相次いでいた自民党に対する有権者の“呆れ”があったと指摘。「野党はモリカケ、桜を見る会などで攻め続けているが、あのときのような”風”を感じているのか」と疑問を投げかける。政党支持率を見ると、自民党の支持率は40%前後を維持している一方、立憲・国民は合わせても10%前後にとどまっている。

 小西氏は「コロナ対策も含めて、安倍政権は失点をだいぶ重ねているし、それ以前に民主主義として許されないこともやっている。しかし、それだけでは残念ながら国民の皆さんから政権をいただくことはできない。やはり自民党には政権与党としての安心感があるのだろうし、それ以外の政党が政権を担えるというイメージがないのだと思う。実際、民主党はうまく政権運営ができなかったのではないかということを今でも言われる。そこはすごく反省している。政権を取ると、巨大な霞が関や経済界などの団体と調整をしながら動かしていかなければならない。今度こそ政権を担えるというイメージを持っていただけるよう、その統治能力を鍛える勉強会を中堅・若手がガチンコでやろうということで立ち上げる。また、社会保障や経済政策など、国民の皆さんの日々の生活、将来の人生をどうやって守り、幸せにしていくのか、というところで存在価値を訴えていかなければダメだ」と主張。

 「民主党が政権をいただく直前の支持率は、実は10%くらいだった。しかし選挙が近くなって、期待でぐっと上がった。いつ総選挙があるか分からないが、その時に“もう一回、野党に任せてみよう“と思っていただけるよう、死に物狂いでやる。今が出発点の出発点、始まりの始まりだ」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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