現場で患者に向き合う医師「手洗い、マスク、密回避など、やるべきことを粛々とやることが大切」緊急事態宣言下の国民ができることとは
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 ついに発出された緊急事態宣言。その解除の基準について、西村経済再生担当相は「東京都の場合、(感染者数が)一日あたり500人の水準を目安にしながら、1カ月で何としても感染を抑え、減少傾向にしていく」と強調。政府コロナ対策分科会の尾身会長も「皆がしっかりと頑張れば、1か月以内でもステージ3にすることは可能だと思っている」と話した。

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 しかし、発出の対象地域が一都三県にとどまること、また、対策の中心が飲食店への時間短縮営業やテレワークによる出勤者数の7割削減の要請であることなどから、その実効性や早期の宣言解除に不安を抱く人も少なくないようだ。

 7日の『ABEMA Prime』に出演した愛知医科大学病院循環器内科の後藤礼司助教は、「例えば学校については受験シーズンでもあるので配慮したのかもしれない。なかなか難しいところだが、飲食店に絞り、営業終了時間を午後8時までに前倒ししたことについても、よく分からない。我々のように、仕事が20時前には終わらない人たちが外食に出られない状況を作ることは、確かにステイホームに繋がるのかもしれない。ただ、要請に応じなかった店が密になってしまう可能性もある。そうした点について、もう少し明確に示していただきたいと感じた。分からないなら分からないなりに、そのことを伝えた上で“一緒に頑張ろう”と呼びかけなければいけないと思う」と話す。

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 テレビ朝日平石直之アナウンサーは「閉店前の駆け込み需要や、午前中に営業している店が密になる懸念もある。菅総理が会食の問題で謝罪したことがあったし、国会議員が“4人以下なら”などと言っていることもあるので、メッセージとして伝わりにくいのではないか」とコメント。

 また、オンラインサロン『田端大学』を主宰する田端信太郎氏は「菅さんとしては、一斉休校したらしたでブーブー文句を言うだろうというのが本音ではないか。4月、5月の頃は新規感染者数も少なかったし、原因とされた“夜の街”を中心にリンクも追えていた。だからこそ社会的な立場のある人ほど自制もしていたと思う。しかしここまで来ると、誰でもどこでもうつるね、だからうつっても悪くないよね、ということで、“村八分されるかも…”という日本的なブレーキが効かなくなっているのではないか。営業時間ではなく、香港のように酒類の提供を禁止する、といった考え方もあると思う」と指摘。

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 お笑いタレントのパックンも「“緊急事態宣言”という名前の割に、緊迫感があまりないのが残念だ。緩く、長くやれば、その分だけ皆も疲れるし、自粛しない方がいる限り感染は続く。我々にコロナへの耐性ができる前に、コロナ対策への耐性ができてしまう。その意味では厳しく、短く、やった方が効果はあると思うし、今回は中途半端なのではないか。それでも生活を守りながら乗り越えていこうという方針なのであれば、そこをはっきり説明してくれればいい。我々も我慢するが、その間に病床の確保、医療従事者の確保をしっかりやると言ってほしい」と訴えた。

 では、今後の見通しはどうなるのだろうか。会見で菅総理は、2月下旬にもワクチンの接種を開始したいとの意向も示している。

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 後藤医師は「7割近い方たちにワクチンが行き渡れば集団免疫が確立できる可能性がある、ということだ。しかし副反応といって、影響が出る方も中にはいらっしゃる。その割合がどのくらいなのか。そういったことを正しく理解し、同調ではなく同意の上で接種を受けることが重要だ。ワクチンに飛びついたり、逆に100万人に3人だったとしても副反応が出たと大きく報じたりするメディアも出てくると思う。確かに副作用が出れば、その人にとっては困ることなので、接種は強制すべきものではない。しかし僕は医療従事者として、副反応が出たとしても打つ」とコメント。その上で、「どうしてもお伝えしておきたい」として、次のように話した。

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 「結局、コロナがどういうところで増えるのかが明確に分からないまま進んできてしまっている。対策の効果に実感が伴わないのもそのためだ。緊急事態宣言に関しても、何をした結果、どのように減ったのか評価することが大切だ。一方で、高齢の人や持病のある人、喫煙歴のある人などが重篤になりやすいことは確かだし、その人たちをいかに守れるのか、という点だけは変わらないし、個々人がやらなければならないことも、実は4月から全く変わっていない。手洗い、換気の悪いところや密になりやすいところではマスクをつける、ということは少なくとも確立された対応だ。コロナが収まったとしても、来年の冬にはインフルエンザが増えるかもしれない。医師としては悩ましいが、その時に病院をいっぱいにさせないためにも、この“やるべきことを粛々とやる”のが非常に大切だ」。

 これに対しEXITのりんたろー。も「やるべきことは変わっていないと思う」、兼近大樹も「だからこそ、一時期芸能人が流行らせた“うちに帰ろう”とか“手を洗おう”とかを、今こそやるべきだ」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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