「飼ってみたら匂いと鳴き声が…」コロナ禍に買われた犬猫の放棄が急増? ペットショップでの販売はやめるべきか
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 コロナ禍のステイホームに伴い、ペットを飼い始める人が急増、去年、新たに飼われたペットは6万頭も増加したという。その一方、軽い気持ちで書い始めた飼い主による“放棄”も深刻だ。

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 「クマ!おいで!」。捨てられてしまった動物たちが集められ、新しい家族となる飼い主がくるのを待つ「みなしご救援隊」犬猫譲渡センター東京支部(東京・世田谷)。月に平均で30頭ほどを保護している。クマも昨年の緊急事態宣言下にペットショップで買われた“コロナ犬”で、飼い主が“犬の気持ちがわからない”と、約1週間で手放されてしまったのだという。

 「お店で抱っこした時は“天使だ”と思ったけど、家に連れて帰ってみたら、吠えるし、トイレも覚えてないし、悪魔のように感じた、と言われた。例年に比べて1歳未満、1歳前後の子の引き取り保護が突出して多い。つまり、この1年以内にペットショップで購入された飼い主によるものが非常に多ということだ。飼い初めて1週間とか2週間しか経ってないのに、なんで手放すんだろう、信じられないと思う方が非常に多いと思うが、それだけ大変だということだと思う。人間だって、生まれたばかりの赤ちゃんの世話は大変だ。そういうことをきちんと教えた上で売っていただきたい」。

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 他方、ペットを「買う」のではなく、保護された動物を「引き取る」人も増えている。妻・滝川クリステルさんが引き取った保護犬と暮らす小泉環境大臣も「ペットを飼うのはペットショップだけに限らない。保護犬、保護猫、ぜひこういった選択肢があることを多くの方に知っていただきたいと思う」と国会で熱弁。梅沢富美男ミキ亜生ダレノガレ明美などの著名人も、保護犬・保護猫を引き取るという選択肢について情報を発信している。

 また、ペットショップなどで動物を買う場合、手続きをすれば直ちに家に連れ帰ることができるが、保護犬・保護猫の場合、団体によっては家庭環境を知るための面談や、環境に慣れることができるかのトライアル期間などの条件を課していることがある。

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 福岡県に住むひゃくえんさんは去年の夏、「保護猫カフェ」で出逢った茶々ちゃんとの生活をYouTubeにアップしたところ、「可愛すぎる」「二人とも幸せになって」と、140万再生を記録した。実は茶々ちゃんも、当時は1カ月のトライアル中。その後、面談などを経て正式に引き取ることになったが、「仕事は何時に終わるか、本当にマンションはペット可能なのか、一人暮らしかなのかなど、ほとんどの個人情報を話した。でも、夜や朝5時に“ご飯くれ”って鳴き叫んだりして生活リズムが崩れてしまうかなって思ったこともあったので、自分にとっても猫ちゃんにとってよかったかなって思う」。

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 20匹の猫を飼うモデルの青山めぐは「インスタなどのSNSでは良いところだけが切り取られてしまうからかもしれないが、

ファッション、アクセサリー感覚で飼う人が多い。かわいいだけじゃなく匂いもするし、物件がペット不可だとか、そういうことは考えればわかること」と憤る。

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 昔からペットショップで飼うという選択肢は全くなかったといい、20匹も全てが捨て猫や、野良猫が出産した子猫だった。「15、6年前に父が捨て猫を拾ってきたのをきっかけに、親やきょうだいが拾ってきて、気付いたら20匹になっていた。お給料のほとんどが猫関連に消えているし、お洋服も選ばないと毛がついたりボロボロになったり、人間の側が気を使っているという感じ。大変なことは多い(笑)。動物をお店で販売すること自体は悪ではないと思うが、欲しい人は保護犬、保護猫とかで補うことができるので、お店は無くても成り立つと思う。もちろん、商売にしている方や店員さんたちにしてみれば、どうしたらいいのか、という話だが…」。

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 獣医師でペットに関するビジネスに詳しい奥田順之・ぎふ動物行動クリニック院長は「動物と暮らすことによって幸せになれる部分も大きいし、犬や猫と暮らしたいという思いが人間にある以上、販売そのものを否定してしまうと、誰も飼ってはいけないということになりかねない。ただし、今の販売の形態には問題がある」と話す。

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 「基本的にはブリーダーさんが繁殖し、直接、あるいはオークションを介してペットショップに並び、飼い主の方へと移っていくわけだが、中には劣悪な環境、しっかりとしたケアができていない環境で飼育・繁殖させてしまっている業者がいる。家畜も含め、動物たちが心も体も健康に暮らしていくことが大切だというのが動物福祉という考え方。飼い主としても、犬は散歩をしてしっかり運動をさせ、社会的な刺激も受けて充実した生活を遅らせる。猫もケージの中に閉じこめておくのではなく、家の中で立体的に動ける構造物を置くなどして、遊びが充実した状態を作っていくことも大切だ。そして、人間社会とどう調和していくか。最近では何十頭にもなる“多頭飼育”になってしまって、最終的に保健所が引き取るケースもある。まずは増やしすぎないことが必要だし、繁殖を望まないのであれば、発情に伴うストレスを緩和する意味でも、早めに避妊や去勢をしてあげることだ」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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