「“緊急事態宣言で人の流れは減っている”ということは強調されるべき」 3度目“宣言”の効果に西田亮介氏
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 NTTドコモによると、緊急事態宣言が発令された初日、25日午後3時の都内の人出は、新宿が前週比19.8%減、渋谷が同14.6%減、銀座が同9.0%減となった。1回目の緊急事態宣言が出された去年4月13日の比較では、新宿が2.0倍、渋谷が1.9倍、銀座が1.7倍となっており、効果の弱まりを指摘する声もある。

【映像】緊急事態宣言 1回目と3回目の渋谷の比較

 3度目の緊急事態宣言の効果について、東京工業大学准教授の西田亮介氏は「昨年の1回目と比較してしまいがちだが、重要なのは前週比もそうだし、コロナ感染拡大前の休日などと比較してどうかということ。感染拡大前の休日と比べると(3回目の後も)大きく人出は減っていて、つまり“緊急事態宣言で人の流れは減っている”ということは強調されるべきだ」と指摘する。

 一方で、会社に行くためやむを得ず外に出なければならない人もいる。日本生産性本部の調査結果によると、1回目の緊急事態宣言下(2020年5月)のテレワーク実施率は31.5%だったが、2回目の緊急事態宣言があけた後(2021年4月)は19.2%と、実施率は下がっているのが現状だ。去年11月の東京商工会議所の調査では、「テレワークを実施したが現在は取りやめた」と答えた企業は22.1%だったという。

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 こうした結果に対し西田氏は、「平日の人の流れは通勤、通学が減らない限り、原理的に減らすことが困難だ。なぜそうなるのか。重要な点は、日本の職場がジョブ・ディスクリプション(仕事の定義)がはっきりしていないことだ。家でテレワークをしていると“ボスに仕事をしていることが伝わらない”と思うし、管理職も“部下が何をやっているかを把握しておきたい”という不安がわき、テレワークが進まない。そこに、裁量労働などを覗くと、働いた時間の長短で賃金の水準が決まる現行の体型もテレワーク導入の難しさになっているのではないか」との見方を示した。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、組織委員会は新型コロナや暑さ対策のために看護師約500人の派遣を日本看護協会に要望している。大会期間中に必要な医療従事者は約1万人で、組織委は地域医療をひっ迫させないため、参加日数を柔軟に対応できるよう検討しているとしている。

 このニュースを受けて、西田氏は「無観客くらいならありえるかもしれないと思っていたが、早く中止すべきと確信するようになった」と考えが変わったそうで、「オリンピックのために社会が我慢する、とりわけ命に関わる問題だけに、この状況下で医療をひっ迫させてまで開催するのは筋が通らないと思う」と苦言を呈した。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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