いつもとは真逆の展開だった。6月29、30日に行われたお~いお茶杯王位戦七番勝負の第1局。藤井聡太王位(棋聖、18)は豊島将之竜王(叡王、31)に104手で敗れた。両者とも持ち時間8時間のうち、1時間40分ほど残しての早い決着が、藤井王位の完敗だったことを物語っている。解説を務めた棋士からは「足をつかまれているようにぎこちない」「見たことがない一方的な負け」といったコメントが次々と出るほどだ。まだ七番勝負は始まったばかりではあるが、通算でも1勝7敗と大きく負け越す“天敵”に、なぜこれほど苦戦が続くのか。