新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ対策が、快進撃を続ける棋士に勝利を引き寄せる新たなルーティンを生んでいた。将棋の藤井聡太王位(棋聖、19)が7月21、22日に行われた王位戦七番勝負第3局で、豊島将之竜王(叡王、31)に117手で勝利した。初対戦から6連敗を喫するなど、この対局までに2勝7敗と大きく負け越していた“天敵”だったが、中盤からリードを奪ってからはそのまま逆転を許さず突き放す快勝。豊島戦で初の連勝を飾り、苦手とするイメージを吹き飛ばすこととなった。この一局の最終盤、勝敗を決する重要ポイントと見定めたのか、藤井王位はマスクを取ってより集中を高めた。ただこの“マスクオフ”のタイミング、偶然か否か、将棋ソフト(AI)が示す勝率とシンクロしていた。