転倒、転落、出血に差し違えで辞表まで 大相撲、裁く行司も命がけ
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 秋場所六日目は行司のハプニングが相次いだ。大関豪栄道朝乃山戦を裁いていた木村玉次郎が俵伝いに回り込もうとした際、俵に躓いて土俵下に頭から転落。土俵上では暫し、行司不在のまま両者の攻防が展開された。すぐさま、控えの式守伊之助が土俵に上がりかけたが、起き上がった玉次郎が軍配を朝乃山に上げて事なきを得た。しかし、したたかに打ちつけた額は出血していた。

 この事態による連鎖反応ではないだろうが、続く大関栃ノ心対玉鷲戦では立行司の式守伊之助が一方的に攻め込んだ玉鷲ではなく栃ノ心に軍配を上げ、物言い協議の末、行司軍配差し違えで玉鷲の勝ちとなった。

 立行司が軍配差し違えをすると理事長に進退を伺うのが慣例であり、立行司が脇に携える短刀は差し違えたら切腹する覚悟を現していると言われている。今回の伊之助は八角理事長に慰留されたが、前代伊之助は2場所で3回の差し違えの末、3日間の出場停止となったほか、25代木村庄之助は昭和47年(1972年)初場所八日目の横綱北の富士対関脇貴ノ花戦の差し違えがもとで謹慎となった後、自ら辞表を提出。その後は一度も土俵に立つことなく角界を去った。立行司はそれほどの大きな責任を背負っているのだ。

 行司のハプニングと言えば、37代木村庄之助が庄三郎時代の平成27年(2015年)初場所四日目、大関把瑠都に送り倒された小結若荒雄にぶつかって土俵下に転落。脳震盪で病院に搬送され、無事に翌日から土俵を務めたが一時は記憶を失っていた。

 平成25年(2013年)秋場所十日目には常幸龍の小手投げに嘉風の体が反転。投げられた際に宙を舞った左足が行司の木村晃之助の顔面を直撃し、図らずも“KO”された晃之助だったが、口から出血したものの常幸龍に勝ち名乗りを上げて行司の面目を保った。力士も命を削りながら戦っているが、行司もまさに命がけで裁いているのだ。

(C)AbemaTV

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行司が消えた…
行司が消えた…
木村玉次郎が土俵下へ

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大相撲秋場所
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