9日、今年のノーベル化学賞が発表され、「リチウムイオン電池」を開発した旭化成名誉フェローの吉野彰さんが選ばれた。
 リチウムイオン電池は、スマートフォンやノートパソコンなど、モバイル機器のバッテリーとして広く使われている。吉野さんは「リチウムイオン電池の父」とも呼ばれ、この十数年は毎年ノーベル賞の候補にあがってきた。
 吉野さんは京都大学大学院を卒業後、1972年に旭化成工業(現・旭化成)に入社。以来、大学には戻らずサラリーマン人生を歩んできた。充電できる電池と小型化・軽量化に取り組み、1985年に現在のリチウムイオン電池の原型となる新たな電池の開発に成功。当初は売れずプレッシャーに苦しんだものの、1995年の「Windows 95」のヒット、携帯電話・スマホの登場で爆発的に普及した。