女性宮家“政府に容認論浮上”はミスリード?皇室ジャーナリスト「15年前から議論している」
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 天皇陛下の「国民祭典」、そして「祝賀御列の儀」が行われた先週末、時事通信が「『女性・女系天皇』の議論を先送り。結婚後も皇籍に残る『女性宮家』を容認する案が浮上」と報じた。しかし11日の会見で菅官房長官は「報道内容は承知をしていない」と述べた。

 安定的な皇位継承にも関わってくる重要な問題だが、麗澤大学教授の八木秀次氏は「ミスリードだ」と断言する。「皇室にはご公務がたくさんある一方、女性皇族、内親王は民間人とご結婚されれば皇族では無くなることになるし、皇族の数が極めて少なくなっている現状がある。そこでご結婚後も民間人でありながら宮内庁から何らかの肩書き、役職を付与され、それに関する予算措置も受け、公務を手伝うという案がある。しかし、そもそも結婚した相手が皇族になるわけではないし、お子さんがお生まれになれば女系になる。一方、記事では女系は認めないとなっているので、“女性宮家”とは完全に矛盾する。だから見出しに鍵括弧で『女性宮家』と入れているのは誤報だ」。

 その上で八木氏は「現在の皇位継承順位1位は秋篠宮殿下で、来年4月に立皇嗣の礼が予定されている。これによって事実上の皇太子であるということを内外に宣伝する。これが女性・女系という話になれば、皇位継承第1位は天皇陛下のお子様である愛子内親王になる。つまり、皇位継承順位を変えるという話になる。それはあまりにも生々しい議論なので、少なくとも立皇嗣の礼が終わった後から議論を始めるべきだというのが政府の考えだと思う」と推測した。

女性宮家“政府に容認論浮上”はミスリード?皇室ジャーナリスト「15年前から議論している」
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 皇室ジャーナリストの山下晋司氏も「この報道の真意は分からないが、女性宮家を認めるということよりも、ご結婚後も皇室の公務を手伝ってもらおう、という話のようだ。ただ、こういう案は前からあって、私も野田内閣の時に、官邸でヒアリングに応じろと言われた時に提案した。ありふれた意見だ」と指摘する。

 「平成17年、小泉内閣の時に“女性・女系容認”という報告書が出たが、翌年の悠仁親王殿下のご誕生で流れてしまった。しかし宮内庁としては“お生まれになったとはいえ、お一人だ。皇族が少なくなっていくことには変わりはないので、引き続き検討して欲しい”ということだった。それでも反対する方々がいて、なかなか先に進まない。そういう中で、皇位継承の問題とは別に、公務を担う人を確保するというところから出てきたのが平成24年、野田内閣の時にいくつかの案の中から浮上した“女性宮家”だ。皇位継承権はないが、皇室に残ってもらうというものだが、八木先生がおっしゃる通り、女性・女系問題と女性宮家は切り離せないし、お子さんのことを無視するわけにはいかないため、この話も先に進まなくなっている」。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:スタジオでの議論の模様

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