「“男らしさ”に悩んでいる方がたくさんいる。こんなパパもいていいんだよ」りゅうちぇるのツイートに大反響
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 「すぐ物事を決めれる決断力がある」「自信を持っている」「レディーファースト」「引っ張ってくれる」「いい感じの筋肉がついている」「夢がある」「清潔感がある」「見かけよりも精神」「結婚して相手を安定させる」「嫁さんとか子どもをいかに守っていくのか」。

 これらは、いずれも「男らしさ」とは?と尋ねた人から帰ってきた回答だ。

 しかし、「時に勇ましく、優しく強くありたいと願う、それこそが男」といった観念は昔の話。「男だから」という固定概念やプレッシャーによって生きづらさを感じると答えた男性が実に半分以上に上ったというアンケート調査もある。しかも、最も生きづらさを感じているのが40代なのだという。調査を行なった「Lean In Tokyo」の二宮理沙子代表は「社内で昇進し、管理職に就くと生きづらさを感じやすく、でも誰にも言えない、ということ起きているのではないか」と話す。

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 都内の大学に通うKaiさんも、「男らしさ」という言葉に悩んだ一人だ。自身のnoteには「その共通認識が度々人を苦しめている事は紛れもない事実」「男は力仕事をやれ、泣くな。金は出せ」「ということで私は男らしさを捨てた」と綴っている。

 「もともとアルコールに弱い体質なのに、サークルなどでは“飲め”という強要。そこに“お前、男だろ。男で飲まないのは度胸がない”というdisり、自己否定をされるということがあってそれが苦しかった」。そうした視線は、男性だけからのものだけではなかった。「ちょっとリップを塗ったら“女子力が高い”とか、ハンドクリームも手が乾燥するのがコンプレックスだからケアとしてやっているのにもかかわらず言われる」。

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 そんな中、「男は化粧せず男らしく、女は静かに女らしく、それが日本の美徳だとコメントをいただきました。そう思う方はそれでいいと思いますが僕は思わない。日本は思いやり精神の強い美しい国だと誇りに思っています。その優しい思いやりを、多様な生き方や、個性的な考えにはなぜ寄り添えないの?残念」とTwitterに投稿し、30万いいねという大きな反響を呼んだのがりゅうちぇるだ。

 「“男とかの前に、お前はパパだろう”と。“なよなよするな”みたいな感じの声をパパになってから頂くことが多くなった。自分の中ではパパとして、男らしく息子と接しているのに、そういうことを言われるとやっぱり悔しいし、同じように悩んでいる方もいらっしゃるんじゃないかと思って、何気なくシェアした正直、僕はこの仕事をさせてもらっているからこそ、ちょっと不思議な人、珍しい人ということで得をすることもあるし、草食系男子の代表として呼ぼうって思ってくださるスタッフさんもいる。しかし本当に悩まれている方もたくさんいる。そういう中で“こんな人もいていいんだ、こんなパパもいていいんだ”みたいな存在になれるように発信しないといけないなちは思っている」。

 それでも、「男らしい」「女らしい」という表現を無くしてほしいとは思わないのだという。「なよなよしてるし、草食系だからこそ、いざ女性と付き合ったときに”意外に男らしいところあるね”とか言われて嬉しかったりする。“でしょー!意外にやるでしょみたいな”(笑)」。

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 お笑いコンビ・インディアンスの田渕章裕は「“男らしくて”“女らしくて”と言われることで嬉しい人はいると思う。でも、“男やのに”“女やのに”と言われれば、みんなイヤなのではないか」と話す。フリーアナウンサーの柴田阿弥は「私の場合、“女らしいね”と言われると、型にはめられているような感じがしてしんどいし、カチンとくる。褒め言葉で使われたとしても嫌だ。男だからこう、女だからこう、というのは化石の価値観だと思うし、令和の時代にはそぐわない。そして、女性は男性からするとマイノリティで立場が弱かった分、今は声を聞いてもらえるようになったが、例えば弟を見ていると、男性は年齢が上に行けば行くほど弱い部分、陰の部分を見せてはいけないという感覚があるように思う」と指摘した。

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 また、慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は「“らしさ”というのは、元々は自分たちの存在価値を示して、仕事や領域を守ったりためのものだったのではないか男らしいというのはこういうことだ、だから俺たちに任せてほしい、と。しかし時代を経れば実態と合わなくなってくることもある。それに縛られるようなら、変えていけばいい」とコメント。

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 男性学が専門の大正大学准教授の田中俊之氏は「やはり男と女という二分法ではざっくりしすぎだ。人間がたった2種類と言うことはありえない。“女なんだから”と言われてしっくりくる女性もいると思うが、“いや私はそうじゃない”という人もいるだろう。まさに今回りゅうちぇるさんが経験したように、“男なんだからこうしろ。父親なんだからこうしろ”と言われて、“自分は違うよ”という人がいるのも当然だし、ことが励みになる人がいるのも当然だ」と指摘。

 「例えば車の運転席に女性が、助手席に男性が乗っていると、僕らは違和感を感じないか。それは運転は男性がするのが当たり前だろうという感覚や、機械に詳しいというような感覚があるからだ。また、身体的ないじりや、結婚していないことに対するいじりを女性に対して行うのはダメだという感覚は共有されていると思うが、男性が対象だった場合には少し鈍感な人もいる。やはり“男らしさハラスメント”に対しては、光が当たっていないのではないかというところがあると思っている。歴史的に考えても、役割や“らしさ”は変化するものだし、同じ時代、社会の中でも多様性があるものだ。さらに言えば、りゅうちぇるさんが言うとおり、1人の人間の中にも“男らしさ”というものについて多様性があっても良いと思う。男性性というものは単一的で強固なものだと考えてしまうと、あまり生産的な議論にならない」。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:りゅうちぇると考える”男らしさ”必要?

りゅうちぇると考える”男らしさ”必要?
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