佐々木俊尚氏、代表質問で政権追及の野党に「アベノミクスの次の経済政策を示せば付いてくる中間層がいるはずだ」
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 22日に続いて代表質問が行われた国会。限られた時間の中、野党は政策ではなく、「桜を見る会」「IR汚職」など、疑惑や安倍総理の追及に多くの時間を割いた。

 しかし安倍総理の答弁は従来からの説明を踏襲したものにとどまり、自民党の二階幹事長は「桜はもう散ってしまった。言ってる方もむなしいと思うよ。だから来年の桜が来ないうちに早くこの問題から次の建設的な問題に議論を移していかなきゃだめ。これは新聞・マスコミが取り上げてくれるからうれしがってやっているんだろうけど、まあ、こんな程度だろう」と皮肉った。

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 こうした国会の様子にネットの意見は割れている。「くだらない問題討論してないで具体的な政策について討論しなよ」「何回も同じ話聞いてる気がするんだけど」という見方をする人もいる一方、「自ら『この話はもう終わりだ』と言える神経すごいな」「終わりにしたいんだろうけどどんどん咲いてきてる」「勝手に散らしてもらっては困ります」と、政府・与党を非難する声も多い。ANNの世論調査でも、「安倍総理本人が、国会の場でさらに説明する必要があると思うか?」との問いに対する答えは「思う」が59%と、「思わない」の33%を上回っている。

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 23日のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した政治ジャーナリストの細川珠生氏は「逃げ切れると思っているのではないかと思うが、国民がもう少し説明しろと言っていることを深刻に捉えていないと思う、少し鈍感かなと思う。国民の感覚を積極的に知ろうという姿勢が足りないと思う。二階幹事長のような発言が出てくるなど、長期政権によるおごりや緩みは、必ず選挙で跳ね返ってくる。今は政権支持率も45%くらいを推移しているが、選挙になれば分からない。自民党の議員はもう少し緊張感を持つべきだし、このままではいけないという声が党内から出てこないといけない。一方、通常国会では予算案の審議が非常に重要だ。ただ、ご存知のように予算委員会はなんでもありなので、野党はメディアに取り上げてもらえるような話題をやりたがる。野党の中にもきちんとした政策論争をやりたいと思っている人たちもいるはずなので、政策を議論しながら、その中で公文書保存のあり方などについて追及をしていく。そういう国会にしていくべき」と指摘する。

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 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「野党が延々と攻撃している様子に飽き飽きしている人が多いのではないか。そうなると、野党がどれだけ攻撃しても政権の支持率は下がらない。それで政権側は“支持率が下がらないんだから別にいいじゃないか”と無視する。そしてますます野党がいきり立つ。そういう、非常に不毛な構図になってしまっている。本来は消費増税後の経済対策をどうするのか、イラン危機の中でエネルギーをどうするのかなどの議論をしてほしいが、マスメディア向けには追及姿勢を示した方が盛り上がるし、野党のコア支持層、いわゆる左派の人たちにとっては憎い敵と戦うイメージを打ち出した方がいいから、野党がそちらに傾斜してしまう。そして、ますます野党や新聞、テレビ、野党のコア支持層が孤立し、“今のところは経済状態がいいので安倍政権かな”と感じている、なんとなくの自民支持層やTwitterなどのネット言論がどんどん離反していく。我々がアベノミクスの次を引き継いで効率よい経済を作るんだということを野党が言えば、ついてくる中間層も結構いると思う」とコメント。

 慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は「今は逃げ切ることができるくらいの支持率ということだろうが、逆に言えば潔く説明しても支持率が下がらない強さもあると思う。むしろ何が悪かったのか、野党の攻撃に先んじて自分たち説明し、反省していけば、より盤石な支持になったのではないか」とした。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:細川氏、佐々木氏が討論

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