さかなクン帽子で国会出席OKは神対応? 若新雄純氏「多様性は例外から始まる」
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 タレントのさかなクンが12日、参議院の調査会に参考人として出席し、水産資源の管理と保護について意見を述べた。

 さかなクンは2010年、絶滅種とされていたクニマスが富士五湖のひとつである西湖に生息していることを発見するなど、国内有数の魚類学者でもある。“ハコフグ帽子”がトレードマークだが、参議院規則では認められていないこの帽子を着用して、国会の場に立った。

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 なぜ国会で帽子の着用が禁止されているのか。参議院規則には「議場または委員会議室に入る者は、帽子、外とう、襟巻、傘、つえの類を着用し又は携帯してはならない」と記されている。しかし、この規則ができたのは今から70年以上前の昭和22年。当時は帽子が品位にかけるものとみられていたかもしれないが、今の時代もだめなのか。

 さかなクンの帽子について理事会は「品位や礼節に欠いたものにならない」とし、着用を認めたという。今回の対応は例外なのか、当たり前なのか。慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は、「例外を認めるか認めないかという個々の判断は、ルールをスムーズに運用しようとする社会では手間になるから避けられてきたが、例外を個別に判断しようとする時に、初めて多様性の意味を考えると思う。これは品位があるものなのか、彼にどういう背景があるのか。彼が帽子を被るということについては、多くの人がストーリーを知っていたり説明できる文脈があったりする。多様性は何でもかんでも適当に受け入れて混ぜるのではなくて、違いの背景に着目して、その中で新しい価値をつくっていくこと。さかなクンを例外として認めればすべての例外が認められるというわけではなく、今回は多くの人が納得できるものだったが、都度議論があればいい」との見方を示す。

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 また、「多様性は例外から始まる」とした上で、「例外の判断は難しく、帽子を『脱ぐ』という行為は0か1で白黒はっきりするが、例外を認めるかどうかの線引きは0か1かとはならない。僕らがこれから向き合っていくべきだと言われている多様性の社会は、結論が簡単に出ないところを都度考えて、認めたり反対したりを繰り返す手間のかかるもの。それが面白いものだとわからない限りは、多様性なんて口で言っているだけになる。みんなまだまだ、白黒はっきりしないことを恐れすぎていて、こういうことをきっかけにあいまいな基準を議論していくことが大事だと思う」と述べた。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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