「新しい局面に入った。水際対策で防げる状況は終わった」新型インフル対策を経験した舛添要一元厚労相
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 日本でも感染拡大が続いている新型コロナウイルス。13日には国内で初めて感染者が死亡、さらに感染経路がはっきりと分からない感染者も出てきている。2009年、新型インフルエンザが流行した際に厚生労働大臣として対応に当たった舛添要一氏は、現状について「新しい局面に入った」と話す。

 「これまでは、どこが感染源か、誰から誰に感染した、といったことが分かっていたので、制御可能だった。しかし、例えば千葉の20代男性のケースなどは、どこで感染したか分からないし、東京の職場に通っていたという。では彼と同じ電車に乗っていた人はどうなるのか。そう考えれば、彼もまた氷山の一角であって、いつでも、どこでも、誰もが感染し得る状況になった。11年前の新型インフルエンザ流行の時も、同じような流れだった。メキシコで発生したということだったので、まずは水際対策として成田空港で検疫などを徹底的にやった。しかし今度は関係のない大阪の高校生が感染した。“この人はどこから感染したのか”と。水際対策は続けた方がいいが、あくまでも薬が開発されたりするまでの“時間稼ぎ”だし、それで防げる状況は終わったということだ」。

 その上で舛添氏は「政策転換を考えていかなければならない。新型インフルエンザの時は発熱外来を作ったが足りなくなり、院内感染なども起きた。今回も、感染の疑いを持った人はどこの病院にいけばいいのか。感染症指定医療機関にしか行ってはならないとなれば、医師も病院も足りなくなる。そして、厚労省はクルーズ船の感染者についてデータを取り、その症例を国民に知らせることで、自分である程度判断できるようにする」と提言した。

「新しい局面に入った。水際対策で防げる状況は終わった」新型インフル対策を経験した舛添要一元厚労相
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 渡航医学が専門で、2003年にSARSが流行した時には北京で対応した勝田吉彰・関西福祉大学教授は「私はフェーズによって、封じ込めて流行らないようにする“SARSモデル”、感染者が広まり、抗体ができ、それが世間に行きわたることによって収まっていく“新型インフルモデル”という分け方をしている。今の所はSARSモデルで、まずは保健所など相談して下さいというところだが、もう少し拡大してくると、新型インフルエンザモデルということで、一般の医療機関に行くことになる。そこで大事なのは、新型コロナウイルスはどういう方が重症化しやすいかが分かってきている。それを踏まえ、たとえば腎臓の透析センターや産婦人科などには行かないよう、行政がどこの医療機関へ行くべきかを情報公開すべきだ」と指摘。

 また、「ワクチンや薬と違って体に入れるものではない検査キットについては割と早く実用化ができるはずだ。アメリカのCDCではすでに作っているということを発表している。だが、日本はそうした開発のために必要な予算や人員が諸外国に比べて非常に少ないので、“日本製”が出てくるまでには少し時間がかかることになりそうだ。薬に関しては、色々なチェックをしていて、それと並んで、例えば抗HIV薬などを試しているところだ」とした。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:新型コロナ対策は?舛添元厚労大臣に聞く

感染経路が分からない!?感染する前提で考える新型コロナ対策は?舛添元厚労大臣に聞く
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