テレワーク実施で増える「在宅困難者」…管理されなくても仕事ができる人材とは?
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 新型コロナウイルス感染防止のため、急遽取り入れた企業も多い「在宅勤務」。収束の見通しがなかなか立たない中、ネット上で密かに広がりつつある言葉が「在宅困難者」だ。

 在宅、つまり家にいることが難しい人たちを指すこの言葉。出社を禁じられ自宅で仕事をしなければならないはずが、なぜか困難になってしまっているという。いつもとは違って1日中家にいる夫に対し、ストレスを感じている妻。それが家庭内で伝わるのか、察した夫が家に居づらい現象が起きているのだ。

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「『外で働いてほしい』という雰囲気が嫁からなんとなく伝わってくる」。

「在宅勤務の夫が邪魔すぎる。しかも、謎のWeb会議とかいって音拾われるから、娘の泣き声とか気をつかうし」

「息子が『パパ パパ』って言って夫を邪魔するのを1日中止める係だし、昼食も旦那の分が必要」

 もちろん「一緒にいられてうれしい」「家事を手伝ってくれるので助かる」と在宅勤務のメリットを語る人も多くいるが、在宅困難者となった夫の嘆き、ストレスを貯めた妻の悲鳴が相次いでいる。

 感染予防や仕事の効率化を期待されている在宅勤務に待ち構えていた、家庭内の思わぬハードル。臨床心理士で心理カウンセラーも務める明星大学准教授の藤井靖氏は「そもそもテレワークはまだ文化として浸透していない」とした上で、在宅困難者を生まないコツを次のようにアドバイスする。

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 「普段在宅の人は、自分の生活空間が阻害されていると感じる。食事の用意や外出などを合わせなければという気持ちになり、自分が普段どおりの仕事(家事、子育てなど)をしていると在宅勤務者がサボって見えてしまう。在宅困難者を生まないコツは、職場勤務時ならすぐに連絡しないような話はなるべくしないこと。相手がそばにいると要求水準が高くなると自覚して自制し、小さな変化や日々の尽力を認識して感謝する。また、互いの時間リズムを尊重してリフレッシュの時間をつくる」

 一方、慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は、「テレワークができる人こそ、本当の意味で仕事ができる人だということが浮き彫りになった」というネットの意見に賛同。「労働集約型の工場やオフィスは、自分で考えなくても仕事と給料が与えられることがメリットだったと思う。行けば机があり時間が決まっていて、サボっていればチェックして怒る上司がいる。これは多くの人にとって優しいシステムだったと思う。労働環境の研究は昔からされていて、職場は『こういう環境なら人は仕事をあまりサボらない』と管理されるものとして発展してきたらしい。テレワークになるとその管理がなくなるので、そういう時に成果を出せる人が、会社からみれば自分で考えて変化に対応できる人材と定義される可能性がある」とした。

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 では、在宅困難者を生まないため、ストレスを減らすためにはどうしたらいいのか。若新氏は「環境が変化するのだから、工夫が必要になる。例えば、自分の妻や家族に『この時間に自分はこうする』『今日はこんなことがある』という説明・対話をして少しずつ対応してもらう。『急に世の中が変わった。会社に言われたんだから自分は何も悪くない』と思うかもしれないが、自分なりに良い環境をつくること。それが本当の意味で仕事ができるってことではないのか」と持論を展開した。2児の母であるテレビ朝日大木優紀アナウンサーは「休校中の子どもは自分で時間割を立てて家で勉強する工夫をしている、というインタビューを見て、仕事も大体のスケジュールを立てて、事前に妻なり夫なりにコミュニケーションとして伝えること。『僕の分のお昼はいらない』『この時間に休憩しようと思っている』とざっくりでもいいのでその日の雰囲気を伝えてもらえれば、普段から家にいる方としてもわかる」と述べた。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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