“最強会長”佐藤康光九段、超早指しでも実力発揮 若手も思わず「なんなんだよ!」/将棋・AbemaTVトーナメント
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 将棋の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の予選Cリーグ第1試合、チーム康光VSチーム糸谷が5月23日に放送され、大将戦で佐藤康光九段(50)が糸谷哲郎八段(31)との三番勝負で2勝1敗(千日手含む)、+1ポイントを獲得した。第2回大会の準優勝者の早指し巧者・糸谷八段に対し、力戦でも全く引けを取らない圧巻の指し回し。思わず若手棋士から「なんなんだよ!」と声が出るほどの強さを見せた。

▶映像:“最強会長”佐藤康光九段の指し回し

 タイトル13期の実績を誇り、現在は将棋界を統べる日本将棋連盟会長。その独特の戦い方で、ファンからは“怪鳥”とも呼ばれる佐藤九段が、初体験の超早指し戦でも躍動した。自身初戦でぶつかったのは、第2回大会で優勝した藤井聡太七段(17)とも熱戦を繰り広げた糸谷八段。公式戦でも、持ち時間をあまり使わず、どんどん指してくる早見え・早指しの棋士で、同じく独自の戦いを見せることから、2人の対局は「異種格闘技戦」とまで言われていた。

 相居飛車の第1局、時間切迫の中で繰り広げる力戦は、本来糸谷八段のテリトリーと思われていたが、ここで光ったのが佐藤九段。途中、はっきり自覚するミスもあった中で、力勝負で快勝する様子に、チーム糸谷の都成竜馬六段(30)は「強い…強すぎる…」と絶句。高見泰地七段(26)は「なんで、フィッシャーで…。なんなんだよ!」と、異次元のものでも見たような勢いで驚いていた。

“最強会長”佐藤康光九段、超早指しでも実力発揮 若手も思わず「なんなんだよ!」/将棋・AbemaTVトーナメント
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 続く第2局は、終盤で譲らず千日手、指し直しに。両者とも残り30秒前後で始まった指し直し局こそ糸谷八段に譲ったものの、第3局の前には気持ちを切り替えて集中した。先手番から勢いのある攻めを継続。糸谷八段の持ち味でもある巧みな受けも貫き、チームの勝ち越しを決める勝利で、リーダーの責任をしっかり果たした。

 連盟会長にしても、プロ将棋界初の団体戦は「非常に責任の重さを感じる」という。同世代の森内俊之九段(49)、大先輩である谷川浩司九段(58)というレジェンドのチームメイトのためにも、指名した本人である自分がふがいない戦いをするわけにはいかない。様々な重圧を経験してきた“最強会長”が、超早指しと団体戦、2つの未体験ゾーンでさらに進化する。

“最強会長”佐藤康光九段、超早指しでも実力発揮 若手も思わず「なんなんだよ!」/将棋・AbemaTVトーナメント
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◆第3回AbemaTVトーナメント

 持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。

◆出場チーム&リーダー

 豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)

ABEMA/将棋チャンネル)

▶映像:“最強会長”佐藤康光九段の指し回し

佐藤康光会長の強烈な一撃
佐藤康光会長の強烈な一撃

▶映像:小山初段の「立てる」振り駒

注目される小山初段の振り駒
注目される小山初段の振り駒

“最強会長”佐藤康光九段、超早指しでも実力発揮 若手も思わず「なんなんだよ!」/将棋・AbemaTVトーナメント

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