将棋の藤井聡太七段(17)が6月4日、ヒューリック杯棋聖戦・決勝トーナメント決勝で永瀬拓矢二冠(27)に勝利、渡辺明棋聖(棋王、王将、36)への挑戦権を獲得した。17歳10カ月20日での挑戦は、従来の記録を31年ぶりに更新する新記録。対局後、記者会見に出席した藤井七段は「なかなかタイトル戦という舞台まで行けなかったので、それを今回達成できて、前に進めたと思います」と語った。

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 藤井七段は2016年10月、史上最年少となる14歳2カ月で四段昇段、プロ入り。直後に歴代最多となる29連勝という大記録を樹立。その後も数々の最年少記録を樹立し、デビュー以来3年連続で勝率8割超えも達成。各棋士からも、タイトル挑戦は時間の問題と言われてきた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で対局が延期となり、最年少での挑戦記録が危ぶまれていたが、緊急事態宣言の解除とともに対局が組まれ、見事にラストチャンスをものにした。

 会見で藤井七段は対局を振り返り「今日は挑戦は意識せずに盤上に集中しようと臨みました。挑戦するという実感が、あまりわかないですけど、第1局がすぐにあるので、気持ちを入れ替えたいなと思います」とコメント。対戦相手となる渡辺棋聖については「非常に攻めが鋭い将棋で、最近特に充実されていると感じています」と語った。