YouTubeからテレビに進出する人も増加…でも10年後には9割が姿を消す? 芸能人とYouTuberの最新事情
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 緊急事態宣言に伴う外出自粛で利用者の視聴時間を大幅に伸ばしたYouTube。最近ではテレビの世界で活躍していたタレントやミュージシャン、スポーツ選手などが続々参入。視聴者からは「素の部分が見られて嬉しい」「親近感が湧いた」「好きな人がずっと見られてテレビより楽しい」といった声が寄せられる。

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 9日現在の登録者数を見てみると、今年に入ってチャンネルを開設した江頭2:50が206万人、川口春奈が102万人など、著名人のパワーを見せつけている。また、登録者数が60万人に達するお笑いコンビ・EXIT兼近大樹は「YouTuberとしてファンを獲得したというよりも、テレビ出演に連動して増えているようだ」と話す。

■YouTubeをきっかけにテレビの仕事が再び急増したヒロシ

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 一方、「気付いちゃいましたねって感じだ。絶対にこっちの方が楽しいし、ただあの時にバカにしてた人たちは一回一言(謝罪)頂戴よとは思う」と苦笑するのは、芸人・YouTuberのはいじぃだ。かつては芸能界で目が出ない人がYouTubeを始めることが多く、はいじぃもテレビの仕事がほとんどなかった7年前、食レポ動画などの投稿を始めた結果、今や登録者数70万人を超えるまでになった。これはチャンネルを持つお笑い芸人の中でも上位10人に入るレベルだ。「自分が作ったものを世間に届けようと思ったら、オーディションを通過してからじゃないといけなったのが、それすっ飛ばして出せるようになった」。

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 2004年ごろ、テレビ番組『笑いの金メダル』に出演しブレイクしたヒロシは2015年にYouTuberデビューした。
 
 「一言で言えば、完全に趣味で始めた。撮影、編集、アップの方法と、全てYouTubeが教えてくれた。当時、ネットニュースを見ると“落ちぶれた芸人がYouTube始めました”みたいに扱われている記事を見かけていた。僕あまりテレビに出ていなかったが、もし出ていたら“YouTubeとかやって”と言われたと思う」。

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 ヒロシの動画には本人があまり登場せず、焚き火の炎を映しているだけのものもあるが、それがかえって癒されるという意見もあるようだ。「単純に面白いことが言えないから(笑)。写されるのが苦手だから、料理をするときも手元だけを撮る。ただ外にテントを張って寝る、キャンプをやるだけという動画ばかりなのに、思いのほかチャンネル登録者数が伸びていき、仕事にも繋がるようになった。暇になったのでカラオケ喫茶の経営を始めたのに、仕事が増えて、今ほとんど店を開けていない」。

 現在、チャンネル登録者数は73万人に上っており、地元・熊本朝日放送で「ヒロシのひとりキャンプのすすめ」、BS朝日「迷宮グルメ異郷の駅前食堂」に出演中で、8月にはソロキャンプ本を出する予定だ。

 「YouTubeは趣味でやっているので更新は不定期。休みにキャンプに行って撮ったものを時間のある時に編集してアップしている。仕事としてがっつりやったとしたら、テレビよりも稼げるんじゃないかと思っている。どこまで言っていいかわからないが、テレビはギャラを教えてもらえない。サラリーマンなら月給が決まっているのに、なんで俺のギャラは決まっていないのだろうかと。ラーメン屋でいえば、一杯800円で提供したいのに、150円しか渡されないような感覚がある」。

■SNSから映画、テレビに呼ばれるようになった大関れいか

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 こうした状況に、トップYouTuberのはじめしゃちょーは「同じことをやっている動画なら、素人より芸能人の方が見られる。ネタや映像の内容で勝負しネームバリューを超えられるか」、ラファエルは「本物のプロが入ってきて面白い。今まで見てなかった年齢の高い人とかを連れてきてくれるので結果プラスになる」と話す。

 最近では、YouTubeでブレイクした人たちが活躍の場を広げていくケースも増えている。登録者数が100万人を超えるヴァンゆんはYouTuberとして初の大手芸能事務所も所属。スカイピースメジャーデビューを果たし、全国ツアーを行った。水溜りボンドはドラマ・バラエティ番組に出演、3月からはオールナイトニッポンMCを担当している。

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 6秒の動画を投稿することができるSNS「Vine」の動画が評判を呼び、“日本一フォロワーがいる女子高生”として大人気になった大関れいかは、YouTuberとしてもメイク、料理、ASMRなどに挑戦、さらに今や女優・タレントテレビ番組にも出演するようになっている。

 「いきなりVineでバンっとなって、あれあれ…という感じで。だからブレイクの理由も自分では全然分からない。映画に出演させてもらってからは、いろいろやってみたいなと思うようになった」。

 ネットにはないテレビの制約については「たまにだるいなと思う時はある。でも、逆にそれが新鮮だった」という。「今は“テレビ離れ”とか言われているし、私の周りにも見ていない人もいるが、私にとっては親やおばあちゃんが見ている憧れの場所。出たいという気持ちがある。ドラマでお芝居をやりたいし、歌うことも好きなので、ミュージカルもやりたい」。

 また、事務所に所属することについては「フリーでやっている方も多いが、事務所の力も大きいと思うし、支えられている安心感がある。これから所属する人は増えていくと思う」と話していた。

■人気YouTuberも、10年後には9割が姿を消す?

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 ただ、「企画がマンネリ化している。内輪ネタ・地上波のTV番組と似たものが増加している」「コンテンツ力が低下している。編集がワンパターンで出演者の知名度に頼った動画が増加している」として、YouTuberがオワコンに向かっていくという声も出ている。

 ユーチューバーNEXTの社長、岡野武志氏は「お笑いの事務所にいた人が早めに辞めてYouTuberになり、そこで人気が出てテレビに出るなど、シームレスな感じになってきている。英語圏に比べると、日本語圏はまだ在庫が足りないという言われるくらいなので、YouTubeというプラットフォーム自体はまだまだ伸びると思うし、トップを走っている人たち、才能がある人たちにとっては圧倒的に有利だ。ただ、多くの方が参入してくる前に人気になった人たちには、YouTubeで遊んでいるうちに盛り上がってった“ラッキー要素”もある。これから本当に芸やネタを持っている人が参入してくれば、そういう人たちは消えてしまうと思う」と指摘。「100万人近くの登録者がいる人気YouTuberも、10年後には9割が姿を消す」との見方を示した。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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