厚生労働省は15日、休業支援金(『新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金』)の一部申請期限の延長を発表した。当初は9月末を期限としていたが、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、申請手続きの遅延に対応するため、期限を12月末に延長することを決めた。
【映像】「シフトカットされた労働者も対象」予算5737億円も…使われていない現実
そもそも休業支援金とは、一体どのような制度なのだろうか。ニュース番組『 ABEMAヒルズ』に出演した金融教育活動家でお金の専門家の横川楓氏はこう説明する。
「一般的に企業が従業員を休ませる場合は、休業手当を支払う必要があります。休業支援金は、企業から休業手当をもらえない労働者が自分で申請できる制度で、休業手当と同じような支援を受けられます。アルバイトや派遣従業員といった雇用形態で働く人も申請の対象になります。休業ではなく、時短営業によってシフトカットされた労働者も申請の対象です」(横川楓氏・以下同)
新型コロナの影響で、収入が減った労働者などを助ける目的で作られた休業支援金の制度。実はこうした制度は、広く知られていない。
野村総合研究所の調査によると、新型コロナによる実質的失業者(※定義:パート・アルバイト従業員のうち『シフトが5割以上減』かつ『休業手当を受け取っていない人』)は、今年2月時点の推計で女性が女性103.1万人、男性が男性43.4万人だった。そのうち、休業支援金の存在を知らない人は、女性で48.9%、男性で49.7%とおよそ半数が制度を知らなかった。
実際に政府が発表した休業支援金の予算5737億円に対し、支給金額は1777億円(厚生労働省・9月9日時点)と、予算消化率は31%と低水準を推移している。なぜ、人々に休業支援金の制度が知られていないのだろうか。
「正社員であれば、会社から言われて休業といった流れになりますが、アルバイトや派遣社員といった形態で働く人たちは、そもそも自分が制度を利用できる立場なのか、自分が対象だと知らない人たちも多いです。最近では、家族が新型コロナになって、自分が濃厚接触者になったケースで、会社から『休んでくれ』と言われた場合も、支援の対象者になる旨が追加されました」
また、横川氏は「持続化給付金でも同じような問題があった」といい、「こういった制度は書類を集めて、自分で申請しなきゃいけないハードルがある。申請後に不備があれば、国から『この書類が足りないですよ』とちゃんと戻ってくる」とコメント。「自分で申請しないともらえない制度なので、自分が対象者であれば、まずはオンラインで申請してみてほしい」と訴えた。
『ABEMAヒルズ』番組MCの柴田阿弥は「メディアでも困っているんですという方の声を多く届けているにもかかわらず、こういった支援がありますという情報についてはあまり見ないので、メディアの在り方も考えていく必要がある」とコメント。
厚生労働省では、休業支援金を受け取れる可能性がある対象者に向けて「新型コロナウイルス感染症対応支援金・給付金コールセンター」を創設していて、下記の時間帯で問い合わせを受け付けている。
「新型コロナウイルス感染症対応支援金・給付金コールセンター」
TEL:0120-221-276
受付時間:月曜〜金曜(8時30分〜20時)、土日祝(8時30分〜17時15分)
(『ABEMAヒルズ』より)
【映像】“コロナ濃厚接触者”も対象! 意外と知られていない「休業支援金」制度
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