「現実を直視して、自分の頭で考える」70年前、岩国基地近くの中学校で編まれた文集『デルタ』が問いかけるもの テレメンタリー 2021/10/02 10:00 拡大する 瀬戸内海へと流れる清流・錦川に架かる国の名勝「錦帯橋」(山口県岩国市)。ここから3kmほど下った先に広がるデルタ(三角州)地帯・川下(かわしも)地区の3分の2を占めるのが、極東最大級の米軍基地、岩国基地だ。 今はアメリカ海軍と、海兵隊の航空部隊が駐留している基地は1938年、旧日本海軍の基地として建設された。以来、この町の人々は80年以上にわたり、基地と隣り合わせに暮らしてきた。 朝鮮戦争のただなかにあった1952年、基地から200mほどのところにある川下中学校で作られたのが、文集『デルタ』だ。生徒たちが寄せた250篇ほどの詩や作文には、子どもたちが見た基地の町の光景が描かれている。 続きを読む