人気急上昇中の女流棋士が、初の団体戦でリーダーに抜擢だ。女流による早指し団体戦「第2回女流ABEMAトーナメント」のドラフト会議が10月2日に放送される。6人いるリーダーの1人として加わったのが山根ことみ女流二段。23歳はリーダーとして最年少だ。「リーダーですというメールをいただいた時は、正直頭に入ってこなくて、3度見ぐらいして理解して、とてもうれしく思いました」とはにかんだ。昨年度は初のタイトル挑戦も果たし、優秀女流棋士賞を受賞。里見香奈女流四冠、西山朋佳女流三冠といった強大なタイトルホルダー2人が君臨する中、次世代のエース候補として、団体戦でも旋風を巻き起こす。
【動画】ドラフト直前 山根ことみ女流二段インタビュー
元乃木坂46の西野七瀬似とも言われるルックス、そのほんわかした話し方が、聞き手を務める際にも人気となっていた山根女流二段。近年では、ぐんぐんと成績を伸ばし、盤上でも活躍が目立ってきた。「デビュー当時に比べたら棋力が上がっていると信じたいですが、みんなで強くなろうという雰囲気はありますね」と、女流棋界全体のレベルアップを体感する。今期から始まった白玲戦によりタイトルも増え、順位戦も導入された。これまでどうしても男性の棋士をサポートする役割も多かった女流棋士だが、戦いの場が増えたことはシンプルにうれしい。
男性棋士による団体戦「第4回ABEMAトーナメント」も大いに盛り上がっていた中で聞いた、今回の女流団体戦。「男性の団体戦を見ていて、すごくいいなと思っていたので、自分もやってみたかったです」。個人戦だった第1回では、予選に出場したが、痛恨の時間切れ負け。「すごく悔しかった思い出があるので、今回はリベンジしたいです」と、心に期するものがある。
戦いの前に、女流全員が初体験のドラフトがある。「リーダーとして貫禄はないんですけど、チームみんなで楽しみたいです」という山根女流二段は、どんなメンバーを選ぶのか。会議直前でも「全然まとまっていないです。本番で固めようかなと思っています」と、会議の最中に決断することにした。ただ3人1組で作られるチームのイメージだけはできている。「女流が3人集まったら?だいたい食べ物の話ですかね(笑)。私だけかもしれないですけど。おかしもぜひ持ち込みたいと思います」と、実に楽しそうに話し始めた。盤に向かえば男女問わず勝負師となる将棋界。ただ、盤を離れれば、年相応の女性の顔にもなる。チーム山根の“女子会”と真剣勝負が交互にやってくるギャップの連続に、またファンが増えることだろう。
◆第2回女流ABEMAトーナメント 第1回は個人戦として開催され、第2回から団体戦に。ドラフト会議で6人のリーダー棋士が2人ずつ指名し、3人1組のチームを作る。各チームには監督棋士がつき、対局の合間にアドバイスをもらうことができる。3チームずつ2つのリーグに分かれ総当たり戦を行い、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。チームの対戦は予選、本戦通じて、5本先取の9本勝負で行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)