将棋の藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)が9月30日、順位戦B級1組で横山泰明七段(40)に106手で勝利、今期成績を5勝1敗とし、A級への昇級争いにしっかり食らいついた。
【中継】順位戦 B級1組 第6回戦 藤井聡太三冠 対 横山泰明七段
今期、B級1組に昇級した同士の対決は、横山七段の先手番から相掛かりの出だしに。じっくりと時間を使う2人らしく、午前10時の対局開始から午後6時までの夕食休憩までに43手目まで進んだものの、局面はまだ序盤から中盤に向かうところ、といったスローテンポとなった。
夜戦に入る前にわずかながらポイントを稼いでいた藤井三冠は、中住まいに構えていた横山陣に対して両側から効果的な攻め。厳しく迫る手を続けて圧倒すると、相手に反撃のチャンスを与えない確実な進行で勝利を収めた。タイトル経験者も多く「鬼の棲家」とも呼ばれるB級1組は13人の総当たりリーグだが、藤井三冠は前半6局を1敗で乗り切る上々の戦いぶり。残り6局には6戦全勝の佐々木勇気七段(27)、5勝1敗の千田翔太七段(27)との直接対決も控えている。
対局後、藤井三冠は「あまり経験のない形で一手一手難しい展開が続いた気がします。角を切って攻めて行ったところがありましたが、思ったほど成果があがらなかったです。終盤は決め手の見つかる時間が長かったかなと思います」と語ると、前半6局を終えてことには「まずまずいい形で折り返せたかなと思うので、後半もこれまでどおり精一杯指したいです。昇級を目指せる位置だと思うので、残り6局に全力を尽くしたいです」と意気込んだ。
藤井三冠は今期、上位2人に入れば初のA級昇級が決定。来期A級で名人挑戦権を獲得、さらに奪取すれば、谷川浩司九段が持つ21歳2カ月という最年少名人記録を更新することができる。現在は王将戦挑戦者決定リーグに参加し、さらに10月からは竜王戦七番勝負でタイトルに挑戦。今年度中に、最多で五冠まで獲得することが可能だ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)