日本を代表するトップミュージシャン・MIYAVI(40)は、2004年にソロアーティストとしてメジャーデビュー。翌年にはアメリカ・ロサンゼルスに渡り、海外での活動を始めた。渡米中、エレキギターを指だけで弾くという独自のパフォーマンス「スラップ奏法」を生み出し、世界中から注目される存在へと成長。現在も一流のギタリストとして国内外で高く評価されている。
そんなMIYAVIが、ギターと出会ったキッカケやアーティスト活動の秘話を明かした。
――世界で活躍を続けるMIYAVIさん。幼少期はどのような子どもでしたか?
「ずっとサッカーをやっていましたね。ずっとサッカーボールを追いかけて、それしかなかったですね。朝学校に行く前もボールを蹴って、学校の休み時間にもボールを蹴って、学校が終わってもボールを蹴って……その繰り返しでしたね」
――当時、プロサッカーの「Jリーグ」に加盟している「セレッソ大阪」のジュニアユースに所属し、自宅のある兵庫から大阪まで電車で通っていたそうですね。サッカー漬けの日々を過ごす中で起きた“辛い出来事”とは何ですか?
「学校が終わるとすぐに電車に乗って、電車の中で着替えて……夜中(練習が)終わると満員電車に乗って、1時間ちょっとかけて帰る。正直疲弊していて、ケガをして……本当に辛かったです。ケガをした時に挫折したんですよね。あれほど虚無感を覚えたことはなかった。本当にサッカーしかなかったから」
――足の骨折やジュニアユースの環境が変わったことから、チームを退団したMIYAVIさん。失意の中、ギターを始めたきっかけを教えてください。
「14歳とかで色々なことを覚え始めるじゃないですか。そんな中で友達と『バンドでもやるか』ってギターを手にしたのがきっかけです。ギターを手にして、自分がどんどんのめり込んでいく。『何か面白いかも』『もしかしたら、このギターが僕をどこか違うところに連れて行ってくれるんじゃないか』と感じましたね」
――ギターの魅力に気付き、瞬く間に才能を開花させたMIYAVIさん。活躍は音楽だけにとどまらず、役者としてハリウッド映画にも出演していますが、役者としての活動はアーティスト活動にも影響を与えることはありましたか?
「俳優業は、どれだけニュートラルになって新しい人格を自分にインストールするか。そういう意味では、音楽家として自分の濃度を上げていく作業とは真反対な部分があるので、俳優業の中からたくさんの気づきを得ました」
――プライベートでは、2009年に日系アメリカ人の歌手・melody.さんと結婚。3児の父親として、子ども達を教育する上で徹底している“あること”とは何ですか?
「何よりも同じ目線に立ってとことん話すという。うちは対話をすごくするので。結構ディベートしますからね。環境問題に関して、気候変動に関して、性差別、ジェンダー・イクオリティに関して、畜産業に関してとか。ドキュメンタリー見たりして、子どもたちと深く話をしますね。僕は子育てに対して正解はないというか、子供に対しての愛情が100%であれば、その瞬間はどうであれ結果僕は正解であると思うので。それって人それぞれであっていいし、『こうじゃなきゃいけない』とかいうのもない。そういう意味では自分たちのあり方というのは貫けているかなと思いますし、そのあり方の中では子どもたちとしっかりと向き合う」
――子ども達と向き合うことを大切にしているのですね。最後に、MIYAVIさんにとって“音楽”とは?
「希望ですね。音楽を聴いて『格好いいな』と思ったり、『すごくいいこと言っているな』と涙したりとか。それって多分失われていない。音楽が持つ力こそが僕たちが未来を感じる稀有な瞬間だし、それこそが希望なんじゃないかなと思います」
(『ABEMA NEWS』より)
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