コロナ“飲み薬”はゲームチェンジャー? 医師が語る注意点「重症化する前に投薬を」
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 アメリカの製薬大手メルクが11日、開発中の新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」について、FDA(アメリカ食品医薬品局)に緊急使用の申請を行った。承認されれば、新型コロナの治療薬として、世界で初めての飲み薬になる。

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 メルク社がアメリカで行った臨床試験では、およそ700人の患者にモルヌピラビルまたは偽薬(プラセボ)を投与。比較の結果、偽薬では入院や死亡した人の割合が14.1%だったが、モルヌピラビルを使用した人は7.3%とプラセボを投与されたグループに比べてほぼ半分だった。メルク社が発表した効果に後藤茂之厚生労働大臣は「国内でも承認申請がされれば、優先的に審査し、速やかな実用化を目指したい」と実用化に向けて意欲を示している。

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 アメリカで使用申請された飲み薬「モルヌピラビル」について、NTT東日本関東病院のニコラス・レニック医師も「画期的な薬だ」と話す。

「レムデシビルといった似たような点滴の薬があり、新型コロナに感染した中等症以上の患者に有効な治療です。しかし、点滴となると、入院しないと使えなかったり、それによって投与のタイミングも遅くなってしまったりする。これだけの効果があるものが、飲み薬として使用できれば、今後ウイルスと戦う上で“ゲームチェンジャー”になると思います」

 発熱外来やワクチン接種の現場で働くレニック医師。モルヌピラビルのメカニズムはすでに医療現場で使用されている点滴薬「レムデシビル」と同じ、新型コロナウイルスのRNA(遺伝情報を運ぶ物質)のチェーンをうまく作れなくさせるものだという。

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「ウイルスが体内で増殖するとき、新しいウイルスを作るためには、RNAのチェーン(遺伝子の配列)を作らないといけません。レムデシビルもモルヌピラビルも『Nucleoside analogue(ヌクレオシドアナログ)』といって、ウイルスのRNAのチェーンをうまく作れなくさせる薬です」

 国内では、すでに塩野義製薬が開発に着手している新型コロナの飲み薬。レニック医師は注意点として「感染したら早い段階で飲むことが重要だ」と話す。

「日本人の国民性として、風邪の症状が出ても『職場に迷惑がかかる』などの理由で『検査をしたくない』という人が多い。飲み薬は早く飲む必要があり、それに伴って検査も早めにする必要があります。重症化して『仕方ないから検査や病院に行く』といった流れでは、メルク社が公表したような効果は得られないでしょう

(『ABEMAヒルズ』より)

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