明るい声色で登場したのは、ロート製薬の公式YouTuberとして活動している「根羽清(ねばせい)ココロ」さんだ。2018年から商品情報や事業内容を発信、親しみやすいキャラクターでファンが増え続けている。
CGアバターを使って動画投稿や生配信をする「VTuber」。CMなどにタレントを起用するよりも宣伝コストが抑えられることや、SNSで拡散されやすいなどの理由で、いま多くの企業がPR活動にVTuberを採用している。
そんな中、ハローキティなど多くの人気キャラクターを生み出したサンリオからデビューすることになったあるVTuberが話題になっている。
【映像】ちょっとほしいかも…! サンリオ“リアル社員VTuber”なつめさんの実際の名刺(1分ごろ〜)
「皆様お世話になっております。なつめれんげと申します。普段は株式会社サンリオで本当に会社員として働いていますが、この度、リアル社員VTuberとしてデビューすることになりました。サンリオの魅力をたくさんの人に伝えてサンリオキャラクターのサポートをするためにこれから活動していきたいと思います」
おしゃれなメガネに、頭にはパンケーキだろうか。サンリオらしいフワフワとした男子キャラクターをイメージしたという、なんともいえない雰囲気を醸し出す「なつめれんげ」さん。
中の人は、実際にサンリオで働く「リアル会社員」。なぜ社員自らVTuberとして活動することになったのだろうか。
「サンリオ自身が『エンターテインメントの企業である』という考え方があって、僕なりに解釈したときに社員自身がエンターテイナーになったほうが良いのではないかなという必要性を感じました。頭にパンケーキを乗せるのは、他のキャラにはないところかなと思ったので『こういうメガネ男子にパンケーキ乗せたら可愛くなるかな?』と思い、こういうデザインになりました」
ニュース番組『ABEMAヒルズ』の取材に対し、中の人は、普段はキャラクターをプロモートする業務をしているといい、VTuber「なつめれんげ」のときは「マーケティング本部バーチャル課」でサンリオの魅力を世界に発信しているという。なつめさん自身も、リアル社員がVTuberとして活動することに不安と期待が入り混じっている様子だ。
「もちろん僕自身、本当に素人というか、まだ全然慣れてないというところもあります。やっぱり実際の社員が(VTuberに)なることで、お客さんが本当に社員とお話してるような感覚になってくれれば良いなと思います。より近い関係性でコミュニケーションが取れるのかなと思って、VTuberをしています」
15日に生配信デビューしたばかりの「なつめれんげ」さん。取材に対し「サンリオならではの企画を展開していきたい」と今後の意気込みを語っている。
「せっかくサンリオという会社で、素敵なデザイナーさんだったり、素敵なお仕事をたくさんされている方がいるので、例えばデザイナーさんに絵を習ったりとか、一緒にキャラクターを描くのを配信でみんなとできたら、サンリオっぽくて楽しいかなって思っています」
あえてプロの声優やタレントではなく、企業の“中の人”がVTuberとして活動するメリットとしてどのようなものがあるのだろうか。IT起業家の関口舞氏はこう話す。
「(サンリオの事例は)中の人が普段の仕事で触れているキャラクターに興味を持つきっかけになると思います。それ以外にも消費者から企業へは毎日いろいろな意見が寄せられます。良い意見だけではなく悪い意見もある中で、本名と顔出しで活動して対応するか、VTuberとして対応するか。それによって対応する側の精神的なダメージだったり、受け止め方も違ってくるのでは」
実際に関口氏もアバター作成サービスを使い、VTuberキャラクターを作ったこともあるという。
「『VTuber 作り方』とネットで検索すれば、今はたくさん情報が出てきます。YouTuberやTikTokerと比べて、VTuber顔出しなしでできますし、今後、企業の中の人がVTuberとして活動する事例は増えてくると思います」
(『ABEMAヒルズ』)
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