「なぜ(倒れた)?」不自然なダウンに実況が困惑 「止めるの遅い」レフェリーの判断には賛否も
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 2メートルの巨体から繰り出される強烈な腹パン、ヒザの連打に耐えられなくなった対戦相手が自ら後ろに倒れるようにダウンを主張。戦意喪失ぎみのファイターが見せた不自然なダウンに対して、「なぜ(倒れた)?」と実況が困惑する場面があった。

【映像】時が止まった不自然なダウン

 10月15日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE: FIRST STRIKE」で、ラーデ・オパチッチ(セルビア)とパトリック・シミッド(スイス)が対戦。キックボクシング・ベビー級の一戦は、思わぬ実力差から一方的な展開となり、最後は2ラウンド1分19秒、オパチッチが膝を突き上げてTKO勝利を収めた。

 オパチッチは現在2連勝中。K-1で活躍した“エロジマン”ことエロール・ジマーマンを目が覚めるような回し蹴り一発で沈めて一躍“動けるヘビー級”としてONE重量級で注目の選手に躍り出た。対するシミッドは前回、キックボクサーとしてのデビュー戦で対戦相手が欠場。急遽、経験のないMMAの試合に臨んでセネガル相撲のヘビー級ファイターと対戦。結果的にはパウンドの嵐に沈んだが、無茶振りに応えた男気でファンにインパクトを残した。

 そんな両者の対戦だが、蓋を開けてみると力の差は歴然だった。序盤こそ右ローを放ちながら前に出るシミッドだったが、オパチッチの左ジャブを次々と被弾。開始から1分ほどで強烈なボディに動きを止められると、今度は鋭いハイキックで脳を揺らされた。

 その後も、「ウワっ」と荒々しい掛け声とともに、オパチッチのパンチやヒザによるボディ攻めが続く。攻撃のバリエーションも多彩で、ミドルキックでボディが開くと再び腹へパンチ。殴られて動きが止まったシミッドは「もうやめてくれ…」と訴えかけるような切ない眼差しを時折向けるが、オパチッチは容赦なくボディ目掛けてヒザを叩き込んでいく。オパチッチの無慈悲な攻撃ぶりにファンからは「ボクシングの上手いセーム・シュルトみたいだ」という声も聞かれた。

「なぜ(倒れた)?」不自然なダウンに実況が困惑 「止めるの遅い」レフェリーの判断には賛否も

  耐えに耐えたシミッドだったが、1ラウンド残り1分、執拗なボディへの攻撃に対して「あーっ」と悶絶のうめき声をあげてヒザをつく。試合再開後には、左のハイキックを被弾してこのラウンドで2度目のダウンを喫した。

 2ラウンド、気持ちを立て直しパンチで挑んだシミッドだが、オパチッチの猛打の返り討ちにあうと、力なく右ローを繰り出した直後に自らごろりと倒れ込むように不自然なダウン。この奇妙な行動に試合を中継したABEMAの放送席からは「今のはなぜ(倒れた)?」と疑問の声が。しかし、レフェリーに試合続行を促されたシミッドはオパチッチの顔面ハイ、とどめのヒザを叩き込まれるとガクリと腰を落としてTKO負けとなった。

 ファンからはオパチッチの強さを称える声は少なく、むしろ「よくここまで耐えた」「気持ちが強すぎ」など、敗者であるシミッドを労う声が多く聞かれ、レフェリーの判断については「止めるの遅い」「壊れるまでやらせる気か」など、中には批判的な声も寄せられていた。

【映像】時が止まった不自然なダウン
【映像】時が止まった不自然なダウン