「もし首都直下地震が起こったら…」生き残れるか? 再現された“街”を取材
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 今月7日午後10時41分に起きた、千葉県北西部を震源とする地震。この地震で10年ぶりに東京23区で震度5強が観測され、交通面ではJR東日本で運転再開が翌日朝になった路線も出るなど、混乱が相次いだ。

【映像】“耐震基準”満たせず…押し潰された木造家屋(施設内の様子) ※3分ごろ〜

 内閣府によると、マグニチュード7クラスの“首都直下地震”は今後30年以内におよそ70%の確率で発生するといわれている。いま、首都直下地震が起きたら、私たちの生活はどうなってしまうのだろうか。防災体験学習施設「そなエリア東京」では、その状況を想定し、被災地や避難所の様子などが再現されている。

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 同施設で行われている体験ツアー「東京直下72hTOUR(72時間ツアー)」では、冬の午後6時に首都圏で直下型地震が発生したという想定のもと、地震発生直後に生き抜く知恵を学ぶことができる。

 今回「ABEMA NEWS」の楪キャスターが「東京直下72hTOUR」に参加し、同施設を取材した(※館内は特別に許可を得て撮影)。

 スタートは、デパートのエレベーターの中。エレベーターが動き、10階から1階に向かう。すると、ここで地震が発生。照明が消え、非常用の電気のみが点灯している。

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アナウンス「ただいま大きな地震がありました。今後余震の危険があります。状況が確認でき次第随時ご連絡します。それまでは注意して行動してください。繰り返します、ただいま……」

楪キャスター「今、1階につきました。ちょっと閉じ込められていましたが、ようやくドアが開きました」

 エレベーターは1階に到着したものの、すべて電気は消え、停電している状況だ。エレベーターの外に出ると、これまでと一変した街並みが広がっていた。崩れかかったビルに、大きく傾いた電柱……。停電しているため、信号機も機能していない。自動販売機は倒れ、室外機も重なっている。揺れを感じたら、すぐに自販機のそばから離れ、身の安全を確保すべきだと分かる。

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楪キャスター「こちらは耐震基準を満たしていない古い木造家屋です。屋根の重さで家が押しつぶされてしまっています」

 実際に首都直下地震が発生したら、全壊する家屋は、およそ61万棟にのぼるという試算も。これは東日本大震災の5倍にあたる。

 一方、耐震基準を満たしている家でも「地震対策」で大きな差が出るという。

楪キャスター「家具などを固定した部屋ではテレビや冷蔵庫など、大きな家具は倒れてきていません。ところが、こちらの部屋、何も対策をしていないんですが、あらゆる家具が倒れてしまっています。そして、奥には冷蔵庫がドアの前に倒れています。このままでは脱出も救助もできません」

 倒れてきた本棚の前にはベッドが。ここで寝ていた場合、押しつぶされる可能性も十分にある。家具の配置は、安全かつ脱出できるように考える必要がありそうだ。ツアーでは、ほかにもタブレット端末を使い、地震後を生き抜くためのクイズに答えたり、ARで被害状況を見たりして、防災知識を増やしていくことが可能だ。

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 災害発生時、「72時間」と言われている人命救助のタイムリミット。一般的に被災後の“3日”を過ぎると、生存率が著しく低下する。「そなエリア東京」の澤(さわ)副センター長は「都民は過去に大きな地震を体験した人が少ない」という。

「(そなエリア東京では)過去の災害で起きたさまざまな様子を再現しています。場所によっては再現したもの以上の被害になるところもありますし、『このくらいで済んでよかった』という地域も当然出てくると思います。かなりリアルに再現しています。過去の震災、阪神淡路大震災や中越の地震、または東日本大震災でも非常に多くの苦労をされている方がいらっしゃいます。被災者の方にもお伺いしましたが『我々の苦労をまたするのではなく、今努力して、この苦労を少なくするために努めてほしい』というお声をいただきました。将来の地震で『こんなはずではなかった』という思いをしないために、ぜひ皆さんに今できることを一つ一つ準備していただきたいです」

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 準備には、食料などの備蓄のほか「清潔に、快適に過ごせる用意」という視点も必要だという。例えば、大震災で水道が止まってしまったら、トイレは流せなくなる。携帯トイレを備えておけば、袋に用を足して凝固剤で固め、ベランダなどで3週間程度、保管ができる。

「地震自体はこの日本列島では必ず起きます。地震が起きたときに『やっていてよかった』といえるよう、あきらめずに準備をしていただきたいです」 (『ABEMAヒルズ』より)

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